2024/05/02

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政治

半導体製造の「チーム高雄」、今年は米インテグリスも加入

2021/01/05
半導体産業が成長する中、台湾南部の高雄市は関連の大手企業を同市での工場建設などに誘致することに成功、今年はこの半導体「チーム高雄」に米インテグリス社も加わることに。写真は昨年、「投資高雄事務所」の設立を祝う陳其邁高雄市長(前列右から3人目)。(自由時報より)
全世界でサプライチェーンの再構築が進むと共に、新型コロナウイルスがテレビ会議やテレワークといったリモート関連の需要を拡大したことで半導体産業は昨年倍々ゲームで成長。そうした中、台湾南部の高雄市は半導体関連の大手メーカー8社の南部進出や投資拡大につなげることに成功した。高雄市では陳其邁市長が昨年8月に就任して以来、ビジネスや投資の誘致に努めている。同市経済発展局の廖泰翔局長によれば、ガリウムヒ素半導体で世界最大のファウンドリであるウイン・セミコンダクターズ(穩懋半導体)、半導体のパッケージング・テスティングで世界をリードするASE(日月光)、受動部品大手のヤゲオ(国巨)、ICテストインターフェースで世界3位のWinWay(穎崴)、半導体用薬液貯蔵タンクで大手の日本のバルカー、半導体の蒸着材料で知られるドイツのメルク(Merck)など世界的な大型企業による高雄市での投資が相次いでおり、投資総額はすでに1,000億台湾元(約3,638億日本円)を上回った。
 
そして今年はさらに、半導体の製造プロセスにおける材料やソリューションの世界的なサプライヤーである米国のインテグリスをも引き付けた。同社は60億台湾元(約218億日本円)を投資し、台湾に最大の製造工場を建設する。台湾のASEもさらに1,000億台湾元の追加投資が期待され、「半導体のチーム高雄」は世界で最も重要なサプライチェーンの一つとなる見通し。
 
廖泰翔局長は、これら企業が最も重視するのは土地・人材・労働者・水・電力の五つが不足する「五欠問題」であり、現在高雄市は企業の投資ペースに合わせて積極的にこうした問題の解決に取り組んでいると強調した。土地不足問題はその解消が進んでいる。従来から計画されていた仁武産業園区は建設が遅れていたが、陳其邁市長は土地の所有者である台湾糖業公司と直接交渉し、着任から60日経たないうちに着工させることに成功。同時に中央政府と共に橋頭サイエンスパークの開発も加速しており、来年末には企業が工場を建設出来るようにする予定。人材不足の問題については、重点となる産業の需要を高雄市で整理した上で、合同で地元の大学や専科学校などに産官学に研究者を加えたプラットフォームを設け、前もって人材の育成にとりかかっている。
 
そして生産に必要な水については、鳳山渓と臨海の再生水工場に続いて、高雄市で三つ目となる再生水工場を岡橋に建設する計画が進んでいる。また、電力不足問題は高雄市での発電量が消費電力を上回っていることから、企業の投資拡大に十分対応可能だという。高雄市経済発展局では昨年11月末に台湾の地方自治体で初めて「投資高雄事務所」を設立し、ビジネス誘致に関する単一窓口を開設した。案件ごとにプロジェクトマネージャーを配置し、それぞれの企業に合わせたサービスを行っている。
 
 

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