2024/05/06

Taiwan Today

政治

「農民退休儲金制度」がスタート、蔡総統「定年退職制度の整備が完了」

2021/01/05
蔡英文総統が4日、農業従事者の定年退職後を保障する制度の創設式典に出席、より多くの若者が農業を目指すよう期待すると共に、台湾における定年退職制度の整備完了を宣言した。写真は会場で農業従事者と交流する蔡総統(左)。(総統府サイトより)
蔡英文総統が4日午前、高雄市(台湾南部)で「農民退休儲金制度開辦典礼」(農業従事者退職貯金制度創設式典)に出席し、同制度の法的根拠である「農民退休儲金条例」は定年退職制度の全面的な整備完了を意味するだけでなく、農業を定年まで働け、安心した老後を過ごせる職業にするものだと述べ、より多くの若者が帰省して農業に携わり、地元の農業に新たな活力を注入してくれることに期待した。
 
蔡総統はあいさつの中で、「農民退休儲金」創設の重要な意義を二つ挙げた。一つ目は、政府が約束を果たし、農業従事者を支える決意を示すものであること。蔡総統は、台湾農業の盛んな発展は苦労して畑を耕す一人ひとりの農家に支えられているとし、こうした人たちがより整ったケアを受けられるようにするため政府が過去数年間、「農民職業災害保険」、「農民健康保険人地脱鉤」(農地を所有していない、もしくは賃貸契約を示せないが実際に農業に従事していれば「農民健康保険」などに加入できるようにする政策)の推進、ならびに「農業保険」などの制度拡大に取り組んできたことを説明。そして昨年元日に、自身が「農家のための年金制度を確立して農業従事者の定年後の生活を保障する」と約束したことに言及した。
 
蔡総統は、行政院農業委員会(日本の農水省に相当)の陳吉仲主任委員(大臣)、労働部(日本の厚労省に類似)の許銘春部長(同)、及びそれら省庁の職員たちが努力を重ね、各省庁が垣根を越えて協力したことで身分の認定や勤続年数の計算などの障害を克服、法案としてまとめることが出来、国会もこれを支持して同条例は無事制定されたと説明した。蔡総統は、これは「農業従事者のための四大福利」というパズルの最後の1ピースをそろえたばかりでなく、政府が約束を果たし、農業従事者を支えていく決意を示したものだと強調した。
 
二つ目の意義について蔡総統は、台湾における定年退職制度が全て整ったことだと指摘。「農民退休儲金」が出来たことで、業種にかかわらず年金制度があり、定年後の生活は守られる。「農民退休儲金」では、農家は今後法定月額最低賃金の1%から10%の間で自由に選択して保険料を払い込み、政府も同じ金額を積み立てる。蔡総統は、払込額が多ければ多いほど保障も大きくなり、満65歳になれば「老年農民福利津貼(老農津貼)」(高齢農家補助金)のほか、自身と政府が積み立てた「農民退休儲金」も受け取ることが出来るようになると説明。「農民退休儲金条例」は退職制度の全面的な整備完了を意味するだけでなく、農業を定年まで従事することが出来、安心した老後を過ごせる職業にするものだと指摘した。
 
そして蔡総統は、政府は農業従事者のための健全な福利制度によってより多くの若者が帰省して農業に携わるようになり、地元の農業に新たな活力を注入して農業をいっそう発展させると共に、代々それを守っていってくれるよう願っていると述べた。
 
 

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