2024/04/28

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「半導体の隠れた王者」、穎崴科技が高雄楠梓の加工出口区に新工場を建設

2021/01/15
半導体のテストインターフェイス大手、穎崴科技(WinWay)が32億台湾元あまりを投じて加工出口区楠梓園区に半導体ハイエンド製造センターを建設。14日には起工式が執り行われた。写真は起工式の様子。(経済部サイトより)
「半導体の隠れた王者」とされる穎崴科技股份有限公司(WinWay)はこのほど、5G(第5世代移動通信システム)やAI(人工知能)、HPC(ハイパフォーマンス・コンピューティング)、車載用ICなどの継続的な成長によってハイエンドの半導体を対象としたテスティング需要が高まるとみて、32億5,000万台湾元(約119億日本円)を投じて台湾南部・高雄市にある加工出口区楠梓園区(Nanzih Export Processing Zone)に半導体ハイエンド製造センターを建設すると決定、14日に起工式が執り行われた。同センター(新工場)は2022年末に完成して生産を始める予定で、1,000人近い雇用を創出、年間生産額を10億台湾元(約36億6,000万日本円)以上増やすことになるという。
 
起工式に出席した経済部(日本の経産省に相当)の林全能常務次長(事務次官)はあいさつの中で、穎崴科技は世界の大手半導体メーカーの9割にICテストインターフェイスを提供する企業で、半導体産業の「隠れた王者」だと称える一方、加工出口区楠梓園区は半導体パッケージング産業で世界的な要衝であることを指摘、穎崴科技が工場を拡充することで、同園区は半導体産業のクラスターとしてより整ったものになると歓迎した。林常務次長はまた、「加工出口区」はすでに「科技産業園区」への格上げ(改称)が決まっており、園区内の産業と管理モデルは今後スマート化へ向かうと強調した。経済部も資源を投入し、同園区を台湾にとって重要な「半導体ハイエンド製造センター」へと成長させる。
 
高雄市の陳其邁市長は、引き続き経済部加工出口区管理処と協力して産業の「五欠」問題の解決を加速する考えを示した。「五欠」とは、土地・工業用水・電力・人材・労働者の不足を指す。陳高雄市長はまた、政府が台湾を半導体の先進的な製造センターに発展させようと進める政策に積極的に協力し、同市が昨年設立した「投資高雄事務所」を通じて大企業の具体的な投資を加速させることで、高雄市を台湾での優先的な投資先へと育て上げる考えを強調した。
 
経済部加工出口区管理処の黄文谷処長は、加工出口区には歴史的な功績がある一方、伝統から生まれた問題もあるとし、「科技産業園区」への改称後は産業が多元化へと向かうよう期待。そして、「科技産業園区」が「科学園区」(サイエンスパーク)と支えあうことで、生産と製造が研究開発力も兼ね備え、より完全な姿となっていっそう多くの雇用につなげられるようにと願った。
 
穎崴科技の王嘉煌董事長(会長)は、半導体はここ20年から30年にわたって台湾で最も重要な産業であり、サプライチェーンも非常に整っているとした上で、穎崴科技が高雄市を拠点に20年間経営してきたことを強調した。同社は主に半導体のテストインターフェイス、プローブカード、そして精密なスプリング・プローブ(バネ付きピン)や熱制御システムの製造を行っているほか、半導体や光通信、オプトエレクトロニクス、情報技術(IT)などの分野へも進出。王董事長は、親密なサービスを地元で届けられるのは世界で穎崴科技だけだとし、新工場完成後は「生産能力の地元化」によってより良い就労環境を実現し、高雄地区の発展につなげたいと意気込んだ。
 
 

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