2024/05/06

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陽明交通大学など、新型コロナウイルス感染症の潜在的治療薬を発見

2021/02/24
国立陽明交通大学、国立台湾大学、国防医学院などからなるチームは昨年、AIとビッグデータを活用し、レムデシビルの数十倍の効果を持つ新型コロナウイルス感染症の潜在的治療薬を探し出すことに成功した。(自由時報)
AI(人工知能)とビッグデータによって新たな発見が得られた。国立陽明交通大学(今年2月上旬、国立陽明大学と国立交通大学が合併して誕生した大学)、国立台湾大学、国防医学院などからなるチームは昨年、AIとビッグデータを活用し、ウイルスの影響を受けたヒトのタンパク質を、臨床試験に合格した5万点の薬物及び天然物と対比して厳選。その後、新型コロナウイルスを使った試験を行った結果、レムデシビルの数十倍の効果を持つ潜在的治療薬を探し出すことに成功した。この研究成果は、現在特許申請中で、このほど学術雑誌『ACS Nano誌』にも掲載された。今年5~6月以降、治験(臨床試験)が認められる可能性があり、将来的には新型コロナウイルスが「インフルエンザ化」したあとに使われる治療薬を生産できると見られている。
 
国立陽明交通大学生物科技学院の楊進木院長によると、この研究は国立台湾大学、国防医学院のチームとの協力で行われた。昨年2月から薬物とウイルスの対比を始め、最終的に4種類の薬物の有効性を確認した。つまり、C型肝炎ウイルスによって引き起こされる肝炎の治療に使用するボセプレビル、テラプレビル、ヒト免疫不全ウイルス(エイズ)の治療に使用するネルフィナビル、それに抗炎症の既存薬「JMY206」の4つだ。
 
楊進木院長とチームは、とりわけ「JMY206」は細胞の生存率において、新型コロナウイルスを抑制する効果が、新型コロナウイルス感染症の治療薬として使用されているレムデシビルより数十倍高いことを発見した。また、毒性が低いため、細胞の免疫力を高める効果もやや高い。しかし、この研究成果は現在特許申請中であることから、「既存薬」であることしか明らかにしていない。将来的にはレムデシビルとの配合を調整することで、「既存薬」の新たな用法とし、第Ⅰ相臨床試験を免除して今年5~6月ごろに治験が認められる可能性があるという。
 

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