2024/05/19

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コーヒーの実からお茶、廃棄果皮の再利用

2021/03/31
コーヒーチェリーティーは、低カフェインで抗酸化物質が豊富に含まれている。苦味はなく、味わいは甘味のあるお茶に似ており、爽やかなフルーツの香りがする。アイスティーとしても美味しく、ティータイムの新たな選択肢の一つとなりそうだ。(国立暨南国際大学提供、中央社)

国立暨南国際大学(台湾中部・南投県)の大学社会責任実践プログラムでは、「コーヒーチェリーティー」に関する開発・研究を行われている。コーヒーチェリーは、コーヒーの実のことで、完熟すると赤くなり、見た目がさくらんぼに似ていることからチェリーと呼ばれている。コーヒーチェリーティーは、コーヒー豆(種子)を取り出す際に取り除いた外皮や果肉を乾燥させてお茶にしたもの。この研究によって、これまで廃棄されていた農業廃棄物から斬新で独創的なお茶が生み出された。

国立暨南国際大学によると、コーヒー豆を取り出す際、コーヒーチェリーの約5分の2の果皮及び果肉が廃棄物となる。台湾全土には、1,200ヘクタールのコーヒー農園があり、年間6,000トンのコーヒーチェリーが栽培されている。そこから出る2,400トンの果皮・果肉の大部分が農業廃棄物となり、環境へ負荷を与えている。

国立暨南国際大学管理学院が推進する大学社会責任実践プログラムでは、レジャー学及び観光管理学系の鄭健雄特聘教授率いる研究グループが、農薬や化学肥料を使わない有機栽培のコーヒーチェリーを原料にしたお茶を開発した。コーヒーチェリーの果皮から細部までこだわった製造過程によって、甘い味わいと香りが引き出され、サトウキビのような爽やかな甘味を持ったフルーツティーが完成した。

鄭健雄教授によると、今回、研究・開発したコーヒーチェリーティーのカフェイン含有量はコーヒーの12%から25%と低く、抗酸化物質が豊富に含まれている。また、コーヒーのような苦味はなく、味わいは甘味のあるお茶に似ており、爽やかなフルーツの香りがする。コーヒーチェリーティーは、アフタヌーンティーで食べるスナックとの相性も良く、アイスティーとしても美味しいため、ティータイムの新たな選択肢の一つとなりそうだ。

国立暨南国際大学の武東星学長は、「大学社会責任実践プログラムでは近年、コーヒーの栽培、生産、マーケティング理論と実践の研究に乗り出している。この研究には、コーヒー豆の品種、栽培地の管理、加工、コーヒーの焙煎、鑑定などの分野も含まれている。今回、研究・開発に成功したコーヒーチェリーティーは、廃棄物から生まれた奇跡で、魔法によってゴミが黄金に変化するような素晴らしいこと。農業廃棄物の再利用例の模範となった」と語った。

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