2024/05/19

Taiwan Today

政治

「国境なき記者団」の世界報道自由度ランキング、台湾は昨年から横ばいの43位

2021/04/21
国際的な非政府組織「国境なき記者団」が20日、最新の世界報道自由度ランキングを発表。台湾は昨年と同じ43位だった(写真)。政治の介入がほとんど無いことが評価されたが、一方で「メディア環境の両極化」などが問題として指摘された。(国境なき記者団のウェブサイトのスクリーンショット)
フランス・パリに本部を置く国際的な非政府組織「国境なき記者団(Reporters Without Borders)」が20日、世界報道自由度ランキングの調査対象180カ国のうち少なくとも3/4近い国家で報道の自由は一定の制限を受けていると指摘した。今年のランキングで台湾は昨年と同じ43位だった。
 
AFP(フランス通信社)の報道によると、「国境なき記者団」の世界報道自由度ランキング調査で、報道の自由が「完全な封鎖もしくは深刻な妨害」を受けていると判断されたのは73カ国、「制限」されているのは59カ国だった。また、多くの国で新型コロナウイルス拡大が原因で報道に対する管制が強まったという。
 
「国境なき記者団」の公式ウェブサイトによれば、台湾は今年43位にランク。台湾では政治が報道に介入するケースは珍しく、またそうした介入は社会に受け入れられないことが評価された。一方で「台湾のメディア環境はかなり両極化している」と指摘し、その背景にはインターネットでの閲覧回数稼ぎや利益の追求に駆り立てられていることがあると分析した。
 
その上で「国境なき記者団」は、中国は現在、こうした弱みにつけ込んで台湾の一部メディアの所有者に圧力をかけていると指摘、さらにこれらのメディア所有者は往々にして中国での事業で利益を得ていると説明した。また、北京当局はネット上での台湾に関するフェイクニュース散布を主導している疑いがあり、このことが台湾の政府が、敵意を抱く中国の記者に入境ビザを発給しないなどの対抗措置をとることにつながっていると解説した。
 
今年のランキングでは中国、北朝鮮、トルクメニスタンなどが「報道自由度の最も劣る国」とされている。「国境なき記者団」によると、全世界報道自由度(グローバル指標)は過去1年間ほぼ安定を維持してきたが、2013年に初めてこの指標を作成した際の数値と比べると12%悪化している。問題としては、政治の両極化ならびにネット上での事実と異なる情報による影響で記者に対する信頼が薄れていることを挙げた。
 
 

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