2024/04/27

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台大病院が世界初のAI腫瘍自動輪郭描出システム開発

2021/05/05
AIを搭載した腫瘍自動輪郭描出システム「VBrain」を紹介する台大病院放射線腫瘍科の許峯銘主任医師。台大病院では1年半前に導入し、既に100人以上の検査・治療に使われた。(中央社)

台湾北部・台北市の国立台湾大学医学院付属医院(台大病院)は4日、記者会見を開催し、台湾の医療機器メーカー、醫隼智慧(Vysioneer)と共同で、世界初のAIを搭載した腫瘍自動輪郭描出システム「VBrain」を研究・開発したと発表した。このシステムを使えば医師が小さく発見しづらい脳腫瘍を見つけやすくなる。「VBrain」は、既に米国食品医薬品局(FDA)の医療機器認証を取得した。

台大病院放射線腫瘍科の許峯銘主任医師によると、かつての脳腫瘍を確認するための画像検査では、医師が手動で輪郭描出を行っていたため、時間がかかる上、統計によると約1割の微小な腫瘍は見逃されていた可能性があった。そしてその大部分が悪性の転移性脳腫瘍だったといわれている。台大病院では、「VBrain」を導入して1年半の臨床検査で、100人以上の患者の検査・治療に利用され、そのうち7割が転移性腫瘍だった。

また台大病院神経外科の蕭輔仁主任医師は、「微小な脳腫瘍は大きくなってからでも治療が可能だが、患者にとっては費用の負担も大きくなる。もし早期に発見してすぐに治療ができれば患者にとって一番良い」と語った。

許峯銘主任医師は、AIシステムによって、画像解析にかかる時間が半分になり、迅速に患者の治療を始めることができると指摘した。もし判別しにくい微小な脳腫瘍を見逃し、治療しなければ、神経機能に障害が生じて、運動麻痺や言語・記憶障害などの症状がみられ、患者本人はもちろん介護者にも深刻な影響を与えることになる。

醫隼智慧の呂任棠執行長(CEO)は、「現在、世界では8種のAI技術による自動輪郭描出システムが承認されている。そのうち『VBrain』は、腫瘍の輪郭を描出できる、より適切な癌治療を可能とする。米FDAの認証を取得し、現在は衛生福利部食品薬物管理署(台湾FDA)の申請を行っている」と説明した。

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