2024/04/29

Taiwan Today

政治

外交部の呉部長、「国際社会は中国の権威主義拡張を直視せよ」

2021/05/07
外交部の呉釗燮部長(=外相。写真右)は4日、オーストラリアの全国紙『オーストラリアン・フィナンシャル・レビュー』のマイケル・スミス記者(画面の男性)によるオンラインインタビューを受けた。呉部長はこの中で、国際社会は中国の権威主義の拡張による影響を直視すべきだと訴えた。(外交部)
外交部の呉釗燮部長(=外相)は4日、オーストラリアの全国紙『オーストラリアン・フィナンシャル・レビュー』のマイケル・スミス記者によるオンラインインタビューを受けた。呉部長はこの中で、国際社会は中国の権威主義の拡張によってもたらされる影響を直視すべきだと訴えた。呉部長はまた、台湾とオーストラリアの関係、台湾の国際組織参加などについても説明した。6日付けの紙面に掲載されたインタビューの概要は以下の通り。
 
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オーストラリアの政府高官が最近、「台湾をめぐって中国との紛争が勃発する可能性を軽視すべきではない」などと発言した。これについて呉部長は、オーストラリアがかねてより台湾を支持するゆるぎない立場を示していることに感謝した。呉部長はまた、「中国はいままさに権威主義の拡張を進め、東シナ海や南シナ海における軍事活動を活発化させている。そればかりか、南シナ海にある島や岩礁を軍事基地化しようと企み、周辺国家の不安を招いている。また、中国政府のウイグル、チベット、香港などの住民に対するコントロールはより厳しくなり、信仰の自由や海外メディアへの規制まで行っている」と説明した。
 
呉部長はその上で、「台湾は中国の権威主義拡張と最前線で向き合っている。中国政府は軍事的威圧、フェイクニュース、ハイブリッド戦(hybrid warfare)、経済的手段、台湾の国際参与阻止といった方法で台湾への嫌がらせを仕掛けている。我々は、理念の近い民主国家が台湾を支持し、台湾海峡の平和と安定に関心を寄せてくれるよう期待している」と述べた。呉部長はまた、「中国は急速に権威主義の拡張を進め、その戦力展開はすでに第一列島線を越え、第二、第三列島線にまで達している。中国がソロモン諸島やキリバスに対してわが国との国交断絶を迫り、それを達成したのが良い例だ」、「オーストラリアを含む民主国家の国民は、中国の権威主義の対外拡張に関心を寄せ、これが我々が共に享受する自由と民主主義の価値を脅かし続けるものであることを知るべきだ」などと述べた。
 
呉部長はまた、台湾とオーストラリアの二国間関係の強化についても触れ、両国は互いに重要な貿易パートナーだと指摘した。また、オーストラリアとの経済協力協定(ECA)締結に向けた交渉を迅速に開始し、双方の経済・貿易関係のさらなる強化を目指すことに意欲を見せた。さらに、台湾は適切なタイミングを見はからって「環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)」への参加を申し込みたいと考えており、オーストラリアの支援が得られるよう期待していると述べた。
 
呉部長は最後に、台湾とオーストラリアがサプライチェーンの強靭性、新型コロナウイルス対策などの方面で協力を強化できるよう期待を寄せた。
 
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『オーストラリアン・フィナンシャル・レビュー』は1951年創刊の全国紙。定期購読者及びデジタル版の閲覧者は延べ300万人に上る。経済・貿易分野で最も大きな影響力を持つオーストラリアの主流メディアの一つ。
 

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