2024/05/02

Taiwan Today

政治

調査局、「台湾で医療崩壊」の中国発フェイクニュースを調査

2021/06/02
台湾の防諜・捜査機関である法務部調査局(日本の法務省公安調査庁に類似)は1日、最近中国のネットユーザーが台湾の医療が崩壊しているなどのフェイクニュースを拡散していることについて、すでに調査を行っていることを明らかにした。写真はこうした投稿の一つ。中国大陸で使われる簡体字を使い、台湾積体電路製造公司(TSMC)で新型コロナウイルスの感染拡大が発生していることを暗示する書き込みを行っている。(調査局提供、中央社)
台湾の防諜・捜査機関である法務部調査局(日本の法務省公安調査庁に類似)は1日、最近中国のネットユーザーが台湾の医療が崩壊しているなどのフェイクニュースを拡散し、しかもそれが台湾のサイエンスパークである新竹科学園区および台湾積体電路製造公司(TSMC)と関係していると伝えていることや、台湾の民間団体による新型コロナウイルスワクチン購入を煽るような書き込みをしていることについて、台湾社会に混乱をもたらす懸念があるとして注目し、すでに調査を行っていることを明らかにした。

調査局のニュースリリースによると、同局はこのコロナ禍で、台湾世論の操作を狙うような海外からの情報に関心を寄せ、積極的に情報収集を行っている。そして最近、フェイスブックやツイッターなどのSNSで、ある台湾企業で新型コロナウイルスのクラスターが発生していると指摘、あるいは暗示したり、感染拡大を連想させるような真偽不明の情報が出現したりしていることを発見した。

ニュースリリースによると、これらの情報の出所となっているアカウントは、国外の勢力によって作られたものである疑いが高い。また、それが標的とするのはハイテク産業の重要な生産拠点である新竹科学園区(=新竹サイエンスパーク)に入居する企業であり、フェイクニュースによってこの企業を攻撃しようとする形跡が見られた。国外の勢力が真実ではない情報を使って台湾のハイテク企業の運営に影響を与え、台湾の経済発展や公の秩序に危害を与えるのを阻止するため、調査局はすでに調査を展開している。

ニュースリリースによると、これらの情報には中国のネットユーザーが関わっていることが分かっている。ネットユーザーは、台湾の新型コロナウイルス症例番号3443(台湾の某企業に勤務する35才男性)のニュースをもとに、さまざまなSNSで台湾における新型コロナウイルスの感染拡大状況や、台湾ですでに医療崩壊が起こっている、あるいは台湾で新型コロナウイルスに感染して亡くなった患者を大量に火葬しているなどのフェイクニュースを拡散していることが分かった。こうしたフェイクニュースに呼応する投稿も激増し、台湾の感染症対策を悲観する投稿を行ったり、台湾のサイエンスパークやそこに入居する台湾企業との関連性を指摘したり、台湾の民間団体によるワクチン購入を煽ったりしている。

調査局は、こうした書き込みが社会に混乱をもたらす懸念があるとし、これらの情報を直ちに関連産業に提供し、社会全般に公開することにより、それぞれが警戒を高めるよう注意を促している。

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