2024/05/01

Taiwan Today

政治

「iHEA」が台湾の健康保険をテーマに会議、科学技術用いた台湾のコロナ対策を共有

2021/07/09
衛生福利部中央健康保険署の李伯璋署長が7日、「iHEA」が台湾の健康保険をテーマに開いた会議で、台湾が健康保険データと科学技術を運用して新型コロナの拡大を防いだ経験を紹介した。写真はオンライン会議に参加する李署長。(衛生福利部中央健康保険署サイトより)
衛生福利部(日本の厚労省に類似)中央健康保険署(健保署)の李伯璋署長が7日午後、「International Health Economics Association, iHEA」が年次総会に合わせて台湾の健康保険をテーマに開催した会議に参加、「新型コロナウイルスに対抗するための健康保険データと科学技術の運用:台湾のケース」と題して基調講演を行った。李署長はこの中で、昨年新型コロナが広がる中、台湾が健康保険の医療情報のクラウド検索及びビッグデータ分析を通して科学的で精密な感染対策を行い、感染拡大を防ぐことに成功した経験を紹介した。
 
会議ではプリンストン大学(米国)の鄭宗美氏が議長を務め、医療経済研究所(Office of Health Economics, OHE=英国)のAdrian Towse名誉所長、東京大学(日本)の小林廉毅教授、ディーキン大学(オーストラリア)のCathrine Mihalopoulos教授が討論者として出席。会議は新型コロナの関係でテレビ会議方式で行われた。
 
李伯璋署長は、昨年新型コロナが拡大する中、全民健康保険(台湾の国民皆保険制度)の完全なデータベースとリアルタイムで対応する情報システムこそが、台湾がデジタル技術を感染対策に運用して成功したカギになったと説明した。中央健康保険署はこの間、分野の垣根を越えて様々なリソースを統合、「健康保険医療データクラウド検索システム」の機能を最適化し、リアルタイムのアラートシステムを開発した。それにより医療機関を受診する市民のTOCC(渡航歴、職業、接触歴、集団の有無)を完全に把握出来るようにし、感染防止網のほころびを回避することに成功した。李署長は、警戒レベル3となっている現在ではすでにオンライン診療を始めていると述べるとともに、今後は「健康存摺」アプリ(中央健康保険署からの情報を受け取れるアプリ)の機能を拡充し、一人ひとりの「防疫パスポート」を目指す方針を示した。
 
「iHEA」(中国語では「国際健康経済協会」)は世界各国の学者が医療経済学とヘルスケア制度について議論する重要なプラットフォーム。中央健康保険署は2002年に会員として加入。「iHEA」はこのほど年次総会に合わせて台湾をテーマにした会議を開き、中央健康保険署の代表が台湾における「全民健康保険制度」の発展と成果を報告したことで、その成功経験は国際社会から重視されることとなった。
 
 

ランキング

新着