2024/05/02

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「金馬奨」終身成就奨、撮影監督の林賛庭さんと映画監督の蔡揚名さんに

2021/09/07
金馬奨(ゴールデンホース・アワード)の実行委員会は6日、第58回金馬奨の「終身成就奨」(特別功労賞)を撮影監督の林賛庭さん(左)と映画監督の蔡揚名さん(右)に授与すると発表した。(国家電影及視聴文化中心提供、中央社)
中国語映画のアカデミー賞とされる金馬奨(ゴールデンホース・アワード)の実行委員会は6日、第58回金馬奨の「終身成就奨」(特別功労賞)を撮影監督の林賛庭さんと映画監督の蔡揚名さんに授与すると発表した。撮影監督に金馬奨「終身成就奨」が授与されるのは初めてのこと。
 
林賛庭さんは現在92歳。映画界に足を踏み入れたのは1949年。中影股份有限公司(=台湾最大の映画会社)の前身である農業教育電影公司に第一期練習生として入社した。1957年には台湾語映画『愛情十字路』で正式にキャメラマンを務め、1966年までに台湾語映画50作品以上を世に送り出してきた。
 
林賛庭さんは、台湾映画がモノクロ映画からカラー映画に転換する際の撮影を担った重要な人物であるだけでなく、自ら日本へ渡ってカラー映画の撮影技術を学び、白景瑞監督とタッグを組んで『寂寞的十七歳』、『家在台北』などの名作を生み出した。その後も劉家昌、陳耀圻、王童、林清介、萬仁などの映画監督と作品作りに取り組み、後進の育成にも力を入れた。
 
林賛庭さんが撮影に関わった作品は130点を超える。林賛庭さん自身は、『寂寞的十七歳』、『愛的天地』、『女朋友』、『梅花』で金馬奨「最優秀撮影賞」を4回受賞したほか、『雪花片片』でアジア太平洋映画祭の「撮影賞(カラー)」を受賞している。
 
蔡揚名さんは現在82歳。1963年に俳優としてデビュー。陽明の芸名で、『金色夜叉』、『悲情城市』、『後街人生』など台湾語映画200作品以上に出演した経験を持つ。その後、映画監督に転身して『大地飛鷹』、『方世玉』などの作品を生み出した。ジャンルはホラー、喜劇、アクション映画など幅広い。
 
香港のヤクザ映画に対して、蔡揚名さんは『大頭仔』、『兄弟珍重』、『阿呆』など独自のスタイルの台湾ヤクザ映画を作り、「台湾ヤクザ映画のゴッドファザー」と呼ばれるようになった。台湾映画史に名を残す作品を作っただけでなく、近年は国家電影及視聴文化中心(Taiwan Film and Audiovisual Institute、略称TFAI)が実施するオーラルヒストリー(口述資料)プロジェクトにも協力し、台湾映画界への貢献を続けている。
 
第58回金馬奨授賞式は11月27日、国父紀念館(台湾北部・台北市)で開催される。
 

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