2024/05/09

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政治

まるごと冷凍した台湾産アテモヤ、日本への「初荷」が16日に出発

2021/12/16
行政院農業委員会、輸出業者、食品加工会社が協力し、アテモヤをまるごと冷凍した新商品を開発して輸出。16日には初荷となる日本向けの1万ケースが空輸された。写真は記者会見の模様。中央が農業委員会の陳添寿副主任委員。(行政院農業委員会サイトより)
行政院農業委員会(日本の農林水産省に相当)、輸出業者、そして食品加工会社が協力し、アテモヤ(中国語では「鳳梨釋迦」)をまるごと冷凍した新商品を開発、2,000トン(冷凍分のみ)を目標に輸出を試みている。15日には日本からの受注1万ケース以上のうち「初荷」が台南市(台湾南部)でコンテナに積み込まれ、16日に日本に空輸された。
 
農業委員会の陳添寿副主任委員(副大臣)は15日、「冷凍アテモヤの輸出がスタート・越境ECで日本へ初荷」と銘打った記者会見を開催。陳副主任委員はあいさつの中で、中国が今年9月に「有害生物が検出された」として台湾産のシャカトウ(釈迦頭、「バンレイシ」とも)の輸入を当面停止したことを受け、同委員会は農家を支えるため国内市場の分散に努めたほか、急速冷凍技術を開発して日本などへの輸出を可能にしたと説明。陳副主任委員は、現在では各ルートを通じてかなりの受注をするようになっており、冷凍シャカトウの輸出は今後有望だとの見方を示した。
 
一方、アテモヤはこれまで国内での販売量がそれほど多くなかった。このため農業委員会ではプロモーションを強化して国内で年間5,000トン、輸出で同5,000トンを販売するほか、加工用に3,000トン買い付ける目標を立てた。陳副主任委員は、農家はこれで安心出来るだろうとする一方、農家に対して一定の品質を維持するよう注文を付けた。
 
アテモヤが主に収穫出来るのは12月から翌年3月まで。実が大きく、果肉は弾力があるほか強い甘さの中に酸味も感じられる。これまでは中国向け輸出が中心だったため、ほかの国々の消費者に味わってもらうことが難しかった。しかし今年は中国が輸入を停止した影響で、農業委員会は香港、シンガポール、日本、マレーシア、米国、カナダ、中東をターゲットに5,000トンの輸出を目指している。
 
農業委員会によると、検疫の制限がある一部の国にはアテモヤを生鮮果実として輸出することが出来ない。このため同委員会台東区農業改良場はアテモヤをまるごと冷凍する新たな技術を開発。熟成を促す処理を施した後、零下40度で急速冷凍。それを真空包装して衛生面での安全性を保つ。これにより販売期間を6カ月以上延ばすことが出来るという。
 
農業委員会では、冷凍アテモヤは室温で30分放置するか家庭用電子レンジで40秒温めて解凍すれば切って食べることが出来ると説明している。そうした場合はアイスクリームのような口あたりだということ。
 
 

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