2024/05/04

Taiwan Today

政治

中国の台湾産パイン禁輸続くも他市場への販売成功で今年も5千トン以上の増見込む

2022/03/07
中国の台湾産パイナップル輸入停止が2年目に。行政院農業委員会は、昨年に続いて中国以外の市場への輸出拡大や国内向け販売、さらに減産などで十分対応可能だとしている。写真は昨年の輸出実績を示す図。(行政院農業委員会のフェイスブックより)
中国は昨年3月1日、台湾産パイナップルの輸入を停止した。同措置が2年目に入る中、行政院農業委員会(日本の農林水産省に相当)の陳駿季副主任委員(副大臣)は4日、昨年は対日輸出と対香港輸出がいずれも前年比で数倍に拡大するなど、中国以外の市場に2万5,000トン近く販売出来たと説明、今年はさらに5,000トン多い3万トンの販売が期待できると予想した。第一線の農業団体では対日輸出の倍増を予想、陳副主任委員も期待を寄せた。
 
中国大陸は害虫のコナカイガラムシが検出されたとして昨年3月から台湾産パイナップルの輸入を一時停止している。台湾で生産されるパイナップルの主な品種「金鑽鳳梨」(「鳳梨」はパイナップルのこと)は年間生産量が45万トン前後。輸出されるのはその1割で、輸出先の92%が中国だったため影響が大きかった。今年も3月から6月の収穫期となり、中国に輸出出来ない状況は2年目に入った。
 
農業委員会は4日、パイナップル販売支援策の前倒し実施に関する記者会見を開き、昨年の対応策が引き続き効果を挙げているとして今年も問題なく対処できるとの見方を示した。
 
陳副主任委員によると、昨年、中国を除いた対外輸出量は2万4,982トンで前年の6.33倍に拡大。主に増えたのは日本向けで1万8,000トン近くに達した。前年の2,000トンあまりから8.26倍に急増。また1万8,000トン近くは過去20年間に日本に輸出した台湾産パイナップルの合計に相当するという。また、香港への輸出量も前年の5.47倍に増加。陳副主任委員は、今年、中国以外の市場への輸出量は昨年からさらに5,000トン多い3万トンが見込まれると期待した。
 
打貓果菜生産合作社の陳映延理事主席は、日本のパイナップル年間輸入量は17万トンで、台湾産(昨年は1万8,000トン)が占める割合はまだ低く成長の余地が大きいと説明、今年は昨年から倍増の3万6,000トンが輸出可能との見方を示した。陳副主任委員も、「農業委員会の見立て」の3万トンは「固く見積もったもの」で、同委員会として多ければ多いほどいいと期待を寄せた。
 
しかし、今年の輸出目標3万トンを達成しても従来中国に輸出されていた4万1,000トンとはまだ1万トンあまりの差がある。これについて陳副主任委員は、国内向けでその穴を埋める考えを示している。また今年は栽培面積を400ヘクタール、来年は700ヘクタール減らすことで現在の総栽培面積7,522ヘクタールの1割分を減産して対応するという。
 
中国向け輸出の穴を埋める国内向け販売と加工品向けは各8,000トンを目標とする。南投県南投市(台湾中部)鳳梨生産合作社の林稷治理事主席は、ベーカリー業での材料のほか、飲料に使われる細かく刻まれた果実やジャムとしても提供していくと説明、こうした製品は昨年すでにアジア、アフリカ、北米の二十数カ国に販売しており、日韓、東南アジア、米国、欧州のほか中国大陸も購入していると指摘した。また、輸出業者の奥爾瑪行銷公司の陳旭初董事長(会長)は、カットフルーツとしてのパイナップルの日本向け輸出はビジネスチャンスが大きいと話した。
 
 

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