台湾北部・新北市林口区にある林口新創園（スタートアップ・テラス）とリトアニアのスタートアップ施設「Public Institution Innovation Agency」が27日、MOU（了解覚書）に署名した。リトアニアを訪問中の経済部（日本の経済産業省に相当）の陳正祺政務次長（=副大臣）が立ち会った。
訪問団の団長としてリトアニアを訪れていた陳正祺政務次長は27日、リトアニアの首都ビルニュスで、「The Best Passage to ASIA-Startup Ecosystem & Resources in Taiwan（=アジアへの近道：台湾におけるスタートアップのエコシステムとリソース）」と題する、現地では史上最大規模となる台湾スタートアップのイベントを開催した。
このイベントは、林口新創園（スタートアップ・テラス）の関係者が、対台湾投資を行う海外のスタートアップが使えるさまざまなリソースについて紹介したほか、台湾の6つのスタートアップの関係者がそれぞれのソリューションを発表した。また、林口新創園とリトアニアの「Public Institution Innovation Agency」によるMOU締結には、経済部の陳正祺政務次長のほか、駐リトアニア台湾代表処の黄鈞耀代表（=駐リトアニア大使に相当）、リトアニア経済革新省のEglė Markevičiūtė副大臣も立ち会った。
陳正祺政務次長は「いずれの施設も、双方の政府が推進するスタートアップ政策の重要なプラットフォームであり、スタートアップのエコシステムを取りまとめるという重要な使命を担っている。双方がMOUを締結することで、今後はより緊密に連携を図り、さまざまなリソースを養分として、両国のスタートアップがスムーズに交流や協力を深められるようサポートできるだろう」と期待を寄せた。
経済部によると、台湾のスタートアップ訪問団一行はリトアニアで、北欧やバルト諸国の企業が集まるスタートアップコミュニティ「Vilnius Tech Park」や、リトアニア唯一のスタートアップのための工業団地「Vilnius City Innovation Industrial Park」、それにContrarian Venturesなど複数のベンチャーキャピタル、Kilo HealthやTrafiなど将来のユニコーン企業候補、リトアニアの投資窓口などを訪問。26日にはスタートアップ・フェアに参加し、ピッチバトルで優れたパフォーマンスを見せた。