2024/05/19

Taiwan Today

政治

外交部が国連総会での中国外相の発言に「歴史の歪曲と国連決議の誤った解釈」と反論

2022/09/26
中国外相の国連総会における演説での発言に対し、外交部が「歴史の歪曲と国連決議の誤った解釈であり、中共政権に台湾を代表する権利は無い」と反論した。(外交部)
中国の外務大臣が国連総会での演説の中で台湾の主権に関して述べたことに対し、外交部(日本の外務省に相当)が25日、反論と批判のプレスリリースを発表した。以下、その内容要約。
 
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中国の王毅外務大臣は24日の国連総会での演説で、台湾の主権に関して故意に国連第2758号決議を曲解し、いわゆる「一つの中国」原則と関連付けることで台湾が中華人民共和国に隷属するかのようなまやかしを生み出すと共に中国がこのところ台湾海峡で進める挑発行為を覆い隠そうとした。王毅氏が国連総会で語った、歴史的事実を歪曲し、故意に真実の状況をあいまいにし、そして世界の見方を誤った方向に導くでたらめの数々に対し、外交部は最も厳しい非難を加えるものである。
 
外交部は、国連総会第2758号決議は国連における中国の代表権を処理したに過ぎず、その決議文が台湾に1字たりとも触れていないことを重ねて主張する。同決議は国連体系において台湾を代表する権利を中華人民共和国に与えておらず、「台湾は中華人民共和国の一部である」とも述べていない。しかし中国はいまだに国連総会における過去の文書を故意に歪曲し、誤った政治的解釈を続けている。そしてそれを国際的なコンセンサスが得られていないいわゆる「一つの中国」原則とでたらめに結びつけることで長期にわたって不当な影響力を発揮、国連体系に圧力をかけ、手段を選ばずに台湾及び台湾の全ての人々の参与を排除し、台湾が国際社会に貢献する機会を阻んでいるのである。
 
中華民国台湾は自由民主の国である。民主主義の台湾と専制主義の中国が互いに隷属しないことは世界公認の、長期的客観的事実である。また台湾海峡の現状である。中華人民共和国が台湾を統治したことはこれまで一度も無く、台湾は中華人民共和国の一部ではない。台湾において直接選挙で選ばれた政府のみが国連体系などの国際的な場で台湾の2,350万人を代表出来るのであり、台湾を統治したことのない中国共産党政府に口出しする権利は無いのである。
 
国連憲章では、「国際の平和及び安定を維持すること」が国連の目的及び原則であり、とりわけ紛争解決のための武力の使用を禁ずることを明確にしている。しかし中国はこのところ台湾への軍事的恫喝のレベルを絶えず高めている。台湾の周辺海域における軍事演習、ならびに軍機や軍艦が台湾海峡中間線を越える動きなど、向こう見ずで一方的な軍事行動は台湾海峡の平和の現状を破壊すると共にインド太平洋地域の安全保障を脅かしており、これらの動きは国連憲章の精神と関連の条文の規定に明らかに違反している。それにもかかわらず中国は国連総会で恥ずかしくもなく「平和を愛する」とぬけぬけと語るのである。これら脅威を感じさせる発言は改めて、中国の「作賊喊抓賊」(盗人が盗人をつかまえるよう叫ぶこと。自分が逃げおおせるため人を悪人に仕立てること)を証明している。中国はあくまで権威主義を拡張する政権であり、台湾海峡及び地域の平和と安定の一方的な変更を企てる側なのである。
 
中国がこのところ台湾海峡の周辺で進めている挑発行為はすでに世界の強い懸念を引き起こしている。中華民国(台湾)と正式な外交関係を持つ国々及び米国など中華民国と理念の近い国々は国連総会の開催期間中、台湾海峡の平和を重視し、一方的な現状変更に反対する立場を相次いで表明すると共に国連憲章を遵守することの重要性を呼びかけている。台湾はこれからも民主主義国のコミュニティと共同で権威主義の拡張と侵略を阻止し、ルールに基づく国際秩序と自由で開かれたインド太平洋地域を守っていく。
 
 

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