2024/05/01

Taiwan Today

政治

外交部の呉釗燮部長、安倍元首相を偲び民主主義陣営の団結呼び掛ける

2022/09/27
中華民国(台湾)外交部の呉釗燮部長(外相)は、亡くなった日本の安倍晋三元首相を偲び、日本の産経新聞に追悼文を寄稿した。追悼文は安倍元首相の国葬前日、26日付けの紙面に掲載された。(外交部)
中華民国(台湾)外交部の呉釗燮部長(外相)は、亡くなった日本の安倍晋三元首相を偲び、日本の産経新聞に追悼文を寄稿した。追悼文は安倍元首相の国葬前日、26日付けの紙面に掲載された。概要は以下のとおり。
 
台湾の人々が安倍元首相の死に心を痛め、名残りを惜しむ最大の理由は、安倍氏が中国からの批判を気にせず、何度も台湾への関心と支持を寄せてくれたからだ。安倍氏が述べた「台湾有事は日本有事、すなわち日米同盟の有事である」といった戦略的理念は、台湾の人々に最も深い印象を残した名言として記憶されている。
 
もう一つの理由は、台湾が地震や台風などの自然災害に遭い、甚大な被害を受けたときにも、安倍氏が台湾の人々に温かいメッセージを届けてくれたからだ。それは例えば、台湾が新型コロナウイルスのワクチンを得られるよう協力したり、花蓮(台湾東部)で震災が発生した際、「台湾加油(台湾頑張れ、の意味)」と書いた自筆の色紙を寄せてくれたり、台湾産パイナップルを手に満面の笑みで台湾を応援する写真をツイートしてくれたことなどだ。安倍氏の台湾への支持と関心は、台湾の無数の人々と政府を感動させた。安倍氏の行動はまた、最高の手本にもなった。それに刺激を受けた我々も、他の国が困難に遭ったときは手を差し伸べ、国際社会の一員としての責任を果たそうとしている。
 
権威主義がほしいままに対外拡張する中、安倍氏の遠大な見識は際立っている。「アジア・アフリカ成長回廊」「アジアの民主的な安全保障ダイヤモンド」「自由で開かれたインド太平洋」などの構想は、いずれも安倍氏によるイニシアチブの下、欧米諸国や地域の主要民主国家の共通戦略となった。このほか、安倍氏は信念を貫いて環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の創設を積極的に推進し、同時に台湾の加盟も支持してくれた。権威主義国家がウクライナに侵略戦争を仕掛け、東シナ海、台湾海峡、南シナ海でも武力による現状変更を試みる中、台湾は安倍氏の長期的視野と構想の素晴らしさを改めてかみしめ、民主主義国家の団結の必要性を一層強く実感している。
 
安倍氏はこの世を去ってしまったが、その精神は我々とともにある。安倍氏に対する最良の追悼は、民主主義国家がよりしっかりと団結し、我々が大切にしている自由と民主主義などの普遍的価値を守っていくことだと確信している。
 

ランキング

新着