台湾の先住民族行政を所管する中央省庁である原住民族委員会は、9月24日から10月下旬までの毎週末、「原味餐車（=先住民族料理のキッチンカー）」を台湾の4つの県と市に巡回させている。今年開催されたグルメの祭典「台湾美食展」でアピールした「天然食材」と「産地から食卓へ」の理念を実践するのが狙いだ。
キッチンカーが販売するのは先住民族の料理人、谷桑・路法尼耀さんが考案し、自ら作る弁当「野野野餐盒」とベーグル「原舞米貝果」。使っている食材の多くは先住民族が立ち上げた企業や、先住民族の食材やグッズを取り扱う政府系サイト「LiMA」に参加する生産者が作ったものだ。
そのうち「野野野餐盒」は「野菜（山菜など、山間部で採れる野菜）」、「野味（先住民族テイスト）」、「野外」の3つの「野」の意味を込めた。大自然の食材の味を大切にしながら、そこに谷桑・路法尼耀さんの工夫が加わることで、「野菜」と「野味」の距離感が感じられない、都会の人々にも美味しく健康に食べてもらえるような料理になっている。
谷桑・路法尼耀さんは、「一つの弁当は、一つの世界の縮図だ。その内容は森羅万象で、さまざまな食材が補い合っている。そこには台湾のさまざまな先住民族の飲食の習慣が含まれており、山の幸や海の幸など大自然の食材でいっぱいだ。先住民族と大自然の間の善の循環を見て取ることができるだろう」と述べている。キッチンカーの巡回日程は以下のとおり。
◆9月24日（土）・25日（日）
台北市：花博maji集食行楽（台北市中山区玉門街1号）
◆10月１日(土)・2日(日)
花蓮県：東大門 原住民一條街
◆10月8日(土)・9日(日)
高雄市：漢神巨蛋購物広場 1F屋外広場
◆10月22日（土）・23日（日）
台東県：PASIWALI Festival