台中地方検察署は、海外を拠点とした特殊詐欺に関与した罪で指名手配していた台湾籍の男性について、法務部（日本の法務省に相当）経由でポーランド側に引き渡しを請求したところ受理された。外交部（日本の外務省に相当）、法務部、内政部警政署（日本の警察庁に相当）刑事警察局、台北駐ポーランド代表処（ポーランドにおける中華民国大使館に相当）などがポーランド当局との交渉に当たった結果、今年１月中旬になって引き渡しが実現。男性はその後台中地方検察署に送検され、台湾の司法調査を受けている。
本案件は、外国政府が台湾の犯罪人引渡請求に協力し、台湾籍犯罪人の引き渡しが成功した初の事例となる。中華民国（台湾）とポーランドによる「刑事司法合作協定（=刑事共助協定）」の締結後の、双方の司法共助深化に伴う具体事例でもある。
この男性は2017年、特殊詐欺に関与したとして国際刑事警察機構（インターポール）により国際指名手配された。その後、ポーランドで逮捕され、身柄を拘束されていた。台湾は昨年2月、ポーランド当局に対して男性の引き渡しを申請。ポーランド側は約9か月にわたる裁判所での審理や行政手続きなどを経て、台湾からの申請に同意。今年１月15日になってついに犯罪人の台湾への引き渡しが行われた。
外交部は、ポーランド政府の協力に謝意を示すとともに、本案件の成功事例が、越境犯罪の撲滅と世界の治安を守るという政府の決意を示すことになるよう期待を寄せている。