2024/05/09

Taiwan Today

政治

蔡英文総統、奈良美智さんの『Hazy Humid Day』巡回展記者会見で台日文化交流促進願う

2024/03/29
奈良美智さん(左)の大型作品『Hazy Humid Day(中国語表記は朦朧潮湿的一天)』(220x195㎝)を観賞する蔡英文総統(右)。『Hazy Humid Day』の10年巡回計画の2か所目は、離島の澎湖にある澎湖開拓館で9月1日まで開催される。(総統府)
蔡英文総統は28日午後、離島の澎湖で開催された日本人アーティスト、奈良美智さんの作品『Hazy Humid Day(中国語表記は朦朧潮湿的一天)』台湾巡回展の記者会見に出席した。
 
『Hazy Humid Day』は、奈良さんがコロナ禍の2021年、台湾初の大型個展を開催した際に描いた作品。奈良さんと台湾の中華文化総会は2023年4月より、10年間にわたって台湾各地でこの作品を展示するプロジェクトをスタート。高雄市での展示を終えて、3月29日から9月1日までの半年間、澎湖開拓館(日本統治時代の1933年に建設された旧澎湖庁長官邸)で展示されることになった。
 
蔡総統は2020年から、SNSを通して奈良さんとコンタクトを取り始めた。「この4年間、自分を含め、多くの台湾人が奈良さんとの交流を深めてきた。きょうは奈良さんと一緒に澎湖にやって来ることができて嬉しい。奈良さんが再び台湾で作品を展示し、創作を行うことを心より歓迎したい」と述べた。
 
蔡総統はまた、奈良さんが中華文化総会と作品『Hazy Humid Day』の10年巡回計画を企画してくれたことに感謝。昨年、その第1弾が高雄で開催されたときは自分も作品を鑑賞するために駆け付け、奈良さんの台湾に対する思いを強く感じたと明かした。蔡総統はまた、当時奈良さんが台湾に19日間滞在して創作に取り組んだこと、奈良さんが青白サンダル(中国語表記は藍白拖。台湾文化を象徴する日用品)を履いている様子や、高雄の那瑪夏(ナマシャ)と呼ばれる先住民族集落で見たホタル、屏東県牡丹郷で行われたパイワン族の伝統的な結婚式など台湾特有の風景を映像で記録し、SNSを通して世界に発信してくれたことにも感謝した。
 
蔡総統は、澎湖は台湾巡回展の2番目の展示場所であり、離島に住む人々や子どもたちが、地元にいながら奈良さんの作品を鑑賞できる機会になると指摘。奈良さんにも今回の澎湖訪問の機会を利用して、あちこちを歩いて回り、澎湖の美しさを実感してもらいたいと述べた。
 
蔡総統はさらに、「奈良さんのような友人がいるから、台湾と日本は互いに助けを必要とするとき、いつでも手を取り合って難関を乗り越えることができる。台湾と日本の友好の絆がこれからも強まり、文化・芸術を含む各分野での交流がさらに活発になることを望む」と述べた。
 
澎湖での展示は3月29日から9月1日まで、奈良さん自身が展示場所に選んだ澎湖開拓館で開催される。奈良さんは24日から澎湖に滞在し、自ら作品の展示に関わった。澎湖展では、2021年に初めて台湾で個展を行った際、台南での隔離期間中に描いたドローイング作品27点や、『Thinker』、『Peaceful Night』、『Crying in the Wind』などの陶芸作品、2015年に台湾を旅行で訪れたときの写真やサハリンで撮った写真なども展示されている。
 
なお、入館はオンラインによる事前予約制となっている。
https://www.penghu.gov.tw/follow
 
澎湖開拓館
住所:澎湖県馬公市治平路30号
 

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