2024/05/21

Taiwan Today

政治

呉外交部長が印メディアの取材に対し、「台印関係は今後も安定して発展」

2024/04/15
呉釗燮外交部長(右)が12日、インドのニュースチャンネル「WION」のリモート取材に応じ、台湾とインドの関係ならびに台湾海峡、インド太平洋地域の安全保障問題などを語った。(外交部)
呉釗燮外交部長(=外務大臣)が12日、インドのニュースチャンネル「WION」で外交と防衛問題を担当するキャスター、Siddhant Sibbal氏によるリモート取材に応じた。内容は台湾とインドの関係、台湾海峡とインド太平洋地域の安全保障問題など。インタビューは同日夜に同テレビチャンネルで放送されたほか、ウェブサイトでも公開された。また、インタビュー内容はニュースサイトの「DNA India」に全文掲載され、注目を集めた。
 
呉外交部長はまず、このほど台湾東部・花蓮県で起きた震災に対してインドのモディ首相が関心を寄せたことに謝意を表し、とりわけモディ首相が総選挙の直前で多忙な中、X(旧ツイッター)にお見舞いのメッセージを投稿してくれたことに台湾の人々は感動しており、蔡英文総統、次期総統の頼清徳副総統、外交部はいずれもこれに感謝していると述べた。呉外交部長は台湾とインドの関係はますます活発になっているとし、インド政府が繰り返し台湾海峡の平和と安定への重視を表明していること、今年2月には労務に関する協力覚書を交わせたこと、インドに新設した代表機関・駐ムンバイ台北経済文化弁事処が今年下半期には正式に運用開始となることを挙げて、双方の協力関係はいっそう深まるはずだと期待した。
 
呉外交部長は台湾とインドの交流が様々な面に広がっている点について、文化活動では光の祭典「ディワリ」、「ホーリー祭」、そしてインド映画が台湾で人気があることを指摘、また経済貿易面では二国間の貿易総額が80億米ドルを超えたこと、労務協力がさらに双方にとってプラスに働くこと、半導体産業の発展も非常に注目されていることを挙げて説明。また呉外交部長は、台湾は世界の先端半導体の90%を生産しているが世界にはより大きな需要があるとした上で、台湾の企業が提携先を探すとき、当然民主主義国で、優秀な労働力を有するインドを優先的に中国の代わりとして思いつくとの見方を示し、台湾の力晶積成電子製造(PSMC)がインドのタタ電子と提携してインド初の12インチのシリコンウエハ工場を建設することがその顕著な例であり、同プロジェクトは双方の半導体産業による提携のマイルストーンになると歓迎した。
 
台湾海峡の安全保障とインド太平洋地域の情勢に関して呉外交部長は、中国が台湾に対して長年グレーゾーンでの挑発やハイブリッド戦争を仕掛ける中、台湾は自衛力を高め、理念の近い国々と協力し、台湾海峡及びインド太平洋地域の平和と安定を共同で守っていくと強調した。一方で、「中国は第一列島線を突破して太平洋に『触角』を伸ばし、インド洋でも『真珠の首飾り(string of pearls)』戦略で影響力を拡大している。独裁国家が接近し、合流している」と警戒、このため民主主義国は団結し、権威主義の拡張を食い止めなければならないと訴えた。呉外交部長はインドが「QUAD(日米豪印戦略対話)」の重要なメンバーあること、米国・日本・韓国・フィリピンが協力を強化していること、米国・カナダ・イギリス・欧州諸国が台湾海峡や南シナ海で自由な航行の権利を行使していることを挙げ、「この地域の情勢に対する重視のほどを顕著に表している。『台湾海峡の平和と安定は全世界の安全保障及び繁栄に関わる』ことはすでに世界のコンセンサスになっている」と語った。
 
馬英九前総統がこのほど北京を訪れ、中国の習近平国家主席と会談したことについて聞かれた呉外交部長は、「民主主義の台湾は様々な意見を尊重するが、8割の人が台湾海峡の現状維持を支持している。このため両岸は最終的に統一するという中国の妄想は台湾の主流民意と合致しない。民意の多数は共産主義の中国に台湾が統治されることを受け入れない」と述べた。
 
さらに呉外交部長は、中国がニセ情報を駆使して選挙に干渉しようとすることに触れ、台湾が今年1月の総統選挙の際、中国による「認知戦」に対抗した経験をインドと分かち合い、インドにおける総選挙の参考として提供する考えを示した。呉外交部長は、フェイクニュース対策も台湾とインドが連携していく分野になりうるとしている。
 
「WION」はインドのZEEメディアグループ傘下の英語による国際ニュースチャンネル。放送範囲はインド全域、イギリス、米国、東南アジア、中東などの190カ国に及ぶ。また、ネット上での影響力も大きく、Youtubeチャンネルの月間閲覧者数は1億5,000万人。自国外で暮らすインド系の人々にとって最も人気のあるチャンネルだという。
 
 

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