2024/05/17

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政治

国家人権博物館「展示ビル」増改築工事がスタート

2024/04/19
文化部に隷属する国家人権博物館は18日、白色テロ景美紀念園区(台湾北部・新北市新店区)で国家人権博物館「展示典蔵大楼(=展示・収蔵ビル)」の増改築工事起工式を行った。(文化部)
文化部に隷属する国家人権博物館は18日、白色テロ景美紀念園区(台湾北部・新北市新店区)で国家人権博物館「展示典蔵大楼(=展示・収蔵ビル)」の増改築工事起工式を行った。起工式には行政院の羅秉成政務委員(=無任所大臣)、文化部の史哲部長(=文化相)、国家人権博物館の洪世芳館長、白色テロ被害者の蔡寛裕さん、張則周さん、陳中統さん、それに被害者遺族の楊璧如さん(昨年亡くなった白色テロ被害者・蔡焜霖さんの夫人)などが出席した。
 
羅秉成政務委員は、「移行期正義(Transitional Justice)の取り組みには時間と空間、記憶、教育の3つの部分が含まれる。そのうち最も大きな問題は時間だ。もし努力をせずにいたら、時間は流れていき、移行期正義もそれとともに社会から忘れ去られてしまう」と述べた。羅政務委員はまた、行政院(内閣)が毎年5月19日を「白色テロ記憶の日」と制定することを承認したことを明かし、「これは社会がこの歴史を忘れないようにするためだ」と説明した。
 
文化部の史哲部長は、昨年6月に白色テロ被害者を代表して蔡焜霖さん(昨年9月死去)から手紙を受け取ったことを明かし、「その手紙を見て悲しくなった。そこには『時間はどんどん過ぎるのに、遅々として工事の計画は進まない。いつになったら、皆が関心を寄せる博物館の核心となる建築物を見ることができるのだろうか』と書かれてあったからだ。きょう、展示ビルの起工式を迎えたが、蔡焜霖さんがここにいないことが残念でならない」と述べた。史哲部長はまた、人権博物館の増改築工事は「移行期正義」の形ある取り組みの中でも核心を占めるもので、国家の資源を使って記憶を保存し、資料を収蔵するものだと説明した。
 
国家人権博物館によると、この増改築工事は、既存の3階建てのビルを改修し、地下3階、地上3階建てのビルを建設するというもの。同時にビル周辺の景観も整え、記憶の保存だけでなく、博物館としての機能を備えた施設にする。
 
この増改築により、新たなビルは文物の収蔵、展示、公共サービス等のニーズに対応する空間となり、博物館としての機能を向上させることになる。総工費は11億3,892万台湾元余り(約54億日本円)、2028年第2四半期の完成を目指す。
 
 

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