台湾の画家・邱貴さんが、李登輝元総統と日本の安倍晋三元首相が天国で囲碁に興じる姿を想像して描いた作品「李登輝元総統と安倍晋三元総理の友情を描いた絵画」が台湾と日本の著名な清酒「獺祭」との友情につながり、この作品が20日、「獺祭」の製造メーカー旭酒造株式会社に贈られた。セレモニーには謝長廷駐日代表、安倍元首相の妻の昭恵さんらが立ち会った。
邱貴さんは昨年11月に東京で初めて個展を開催し、台湾のかつての農村風景や「廟会」（神社仏閣での縁日）などをテーマにした油絵を多数展示した。作品の一つ、李登輝氏と安倍晋三氏が天国で囲碁を打つ姿の「想像画」では台湾と日本の揺るがぬ友情を表現した。
この作品で邱貴さんが安倍氏と李登輝氏の傍らに互いの特産品である台湾の高山茶と「獺祭」を描いていたことが旭酒造の桜井博志会長の耳に入り、桜井会長は展示会場の台湾文化センターをわざわざ訪れてじっくり鑑賞したという。
旭酒造は安倍氏の地元山口県にあり、安倍氏は外遊時にしばしば贈り物として「獺祭」を利用した。また2015年には、オバマ米大統領（当時）が安倍首相（同）をホワイトハウスに招いて開いた公式晩餐会で「獺祭」を乾杯に使用するなどしたため「獺祭」の人気は急上昇。今では国際的に知られる清酒となっている。
20日に宝酒造で行われた贈呈式には謝駐日代表と昭恵さんのほか、岩国市の福田良彦市長、日台友好桜里帰り文化交流会の水上逸郎代表理事らも参加した。謝駐日代表は、李元総統と安倍元首相は台湾と日本の友好関係に大きく貢献したとした上で、「絵からは二人が何を話しているかわからないが、何を飲んでいるのかは具体的ではっきりしている」と指摘。また桜井会長は、「とても意義深く感じる。収蔵して工場に飾ることに決めた」と説明し、より多くの人の目に触れられるよう願った。
昭恵さんは、日本との友情に対する台湾の人たちの重視に感動すると共に、台日の文化交流に対する邱貴さんの貢献を高く評価した。昭恵さんは5月に台湾を訪れて第16代正副総統の就任式に出席するとのことで、日台友好桜里帰り文化交流会ではそのときのため旭酒造に対して特別なラベルの「獺祭」数百本の生産を依頼したという。