2024/05/18

Taiwan Today

政治

白色テロ被害者・蔡焜霖さん描いた『台湾の少年』、英語版出版に合わせて作者と翻訳者がイベント

2024/04/24
白色テロ被害者であり、その語り部でもある蔡焜霖(1930-2023年)さんの半生を描いたグラフィックノベル(漫画)『来自清水的孩子(邦題:台湾の少年)』の英語版が米国で発行された。文化部は原作者の游珮芸さん(左)、漫画家の周見信さん(右)、英語翻訳者の金翎さんとともに、4月24日から5月4日までの期間、コロンビア大学、プリンストン大学、ニューヨーク公共図書館、ヒューストンのブックフェス「BIPOC」、テキサス州オースティン公共図書館などで計7回の巡回講座を開催する。(文化部)
戒厳令下の台湾で政府によって行われた「白色恐怖(白色テロ)」の被害者であり、その語り部でもある蔡焜霖(1930-2023年)さんの半生を描いたグラフィックノベル(漫画)『来自清水的孩子(邦題:台湾の少年)』の英語版が米国で発行された(上巻は昨年11月、下巻は今年5月発行予定)。米国の書評誌『Booklist』は「非凡な英雄に敬意を払う作品」と称賛している。文化部の米国出先機関である文化部駐ニューヨーク台北文化センターと駐ヒューストン台湾書院は、この漫画の原作者である游珮芸さん、漫画家の周見信さん、英語翻訳者の金翎さんとともに、4月24日から5月4日までの期間、コロンビア大学、プリンストン大学、ニューヨーク公共図書館、ヒューストンのブックフェス「BIPOC」、テキサス州オースティン公共図書館などで計7回の巡回講座を開催する。
 
『来自清水的孩子(邦題:台湾の少年)』は日本統治時代、国民政府の台湾移転、白色テロ、戒厳令後から台湾の民主化に至るまでの時代を生きた蔡焜霖さんの半生をグラフィックノベル形式で描いたもの。そのストーリーは台湾の近現代史の縮図とも言うべきものだ。中国語版は4巻からなり、セリフには台湾華語、台湾語、日本語が登場する。英語版は上下2巻となっており、登場人物が使用する言語の種類を色によって識別するという工夫がなされた。
 
台湾では2021年に慢工出版によって発行された。すでに英語版のほか、フランス語、ドイツ語、イタリア語、日本語、韓国語、アラビア語の7つの言語に翻訳されることが決まっている。また、台湾の「台北国際書店大奨」、「金鼎奨」、「金漫奨」などを総なめにしたほか、ドイツ「ホワイト・レイブンズ」、フランス「エミール・ギメ・アジア文学賞」、アメリカ「Freeman Book Awards」、「GLLI翻訳ヤングアダルト書籍賞」など国内外のさまざまな賞を獲得している。
 
米国での巡回講座の日程は以下のとおり。
 
●ニューヨーク、ニュージャージー州
プリンストン大学
2024年4月24日(水) 6:00-7:30pm
コロンビア大学
2024年4月25日(木) 12:00-1:30pm
ニューヨーク公共図書館
2024年4月26日(金) 6:00-7:30pm
●テキサス州
僑務委員会「ヒューストン海外青年文化大使(FASCA)」対面会兼座談会
2024年4月28日(日) 2:00-4:00pm
オースティン公共図書館
2024年5月1日(水) 6:00-7:30pm
ヒューストンアジア・ソサイエティ・テキサスセンター 教員向けワークショップ
2024年5月2日(木) 6:30-8:00pm
ヒューストン・ブックフェス「BIPOC」講座
2024年5月4日(土) 11:15am-12:15pm
 

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