2024/05/02

Taiwan Today

外交

ケニアが台湾の容疑者5人を中国大陸に移送、外交部など抗議

2016/08/08
外交部が、ケニアの警察当局が中華民国(台湾)籍の容疑者5人を中国大陸へ移送したことに厳重抗議する立場を表明した。写真はケニアの空港で、ケニアへの抗議を表明する中華民国の陳忠駐南アフリカ代表(大使)。(外交部提供)

外交部(日本の外務省に相当)は8日、ケニアの警察当局は7日、中国大陸側の圧力の下、裁判所による無罪、並びに台湾への送還という判決を無視し、中華民国(台湾)籍の容疑者5人の中国大陸への移送を強行したと説明、ケニア政府に対して厳重に抗議する立場を表明した。

ケニアの裁判所が8月5日に判決を下してから、中華民国(台湾)の駐南アフリカ代表処(大使館に相当)の人員はケニアの警察当局がこの判決に従うよう強く要求すると同時に、外国のメディアや国際的な人権団体にも協力を要請した。しかし、ケニア当局は中国大陸側の圧力に屈し、中華民国(台湾)籍の容疑者5人の中国大陸への引渡しを強行した。

容疑者の中国大陸への移送を阻止しようとケニア入りした駐南アフリカ代表(大使に相当)は空港での阻止に失敗すると、空港で報道機関の取材に対し、ケニア側の横暴を非難した。

外交部は行政院(内閣)大陸委員会(日本の省レベルに相当、対中国大陸政策担当)及び法務部(日本の法務省に相当)と連絡を取っており、台湾海峡両岸の連絡ルートを通じてこれら5人の権益が守られるよう引き続き努力する。

行政院大陸委員会によると、中国大陸側がケニアで無罪判決を受けたこれら5人を中国大陸に強制連行したとの知らせを受けて直ちに、両岸連絡ルートを通じて中国大陸側に対して遺憾と厳重抗議を表明したという。

中華民国の国民であるこれら5人が中国大陸に移送されたことを確認後、大陸委員会は直ちに、中国大陸側がケニアの裁判所による「無罪、並びに台湾への送還」の判決を無視し、人権を蔑視するやり方について中国大陸側に対し、深い遺憾の意を伝えると共に厳重な抗議を行った。

大陸委員会は同時に、中国大陸側が「両岸司法互助協議(協定)」の規定に従い、この5人について中国大陸における人身の安全や自由の制限に関する報告を行なうよう要求した。

大陸委員会は、中国大陸側が強制的にこれら5人を拘束したことは、両岸双方の両岸業務主務機関による長期的な協力が育んだ暗黙の了解を顧みないものである他、中華民国政府が、これら容疑者を中国大陸へ移送しないよう、公の場で重ねて求めてきたことを無視する行いであり、さらには台湾の人々の感情を著しく傷つけるものだと非難。大陸委員会はその上で、政府は引き続き、中国大陸側との意思疎通に努め、これら容疑者を台湾に連れ戻し、法律に則って取調べを受けさせられることを目指すとしている。

大陸委員会はそして、両岸は歩み寄り、こうした事案については過去に重ねた協議や協力関係を基礎に、前向きな意思疎通と対話を継続し、適切な対処方法を共に探っていくべきだと指摘、そうすることで、国・地域を跨いだ電話詐欺事件を効果的に取り締まり、両岸の人々の権益と幸福をさらに保障していこうと重ねて呼びかけた。

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