2024/04/28

Taiwan Today

外交

APEC各国代表が台北に、食料ロス削減について議論

2017/06/14
行政院農業委員会(日本の農林水産省に相当)は12日と13日、国立台湾大学(台湾北部・台北市)にてAPEC「食料ロスと食料廃棄の削減に向けた専門家諮問会議」を開催した。台湾のほか、米国、日本、中国大陸、オーストラリア、タイ、ベトナムなどAPECに参加する17のメンバー・エコノミー(会員国・地域)を代表する専門家約60名が出席した。(行政院農業委員会サイトより)
行政院農業委員会(日本の農林水産省に相当)は12日と13日、国立台湾大学(台湾北部・台北市)にてAPEC(アジア太平洋経済協力)「食料ロスと食料廃棄の削減に向けた専門家諮問会議(APEC Expert Consultation on Food Losses and Waste Reduction)」を開催した。台湾のほか、米国、日本、中国大陸、オーストラリア、タイ、ベトナムなどAPECに参加する17のメンバー・エコノミー(会員国・地域)を代表する専門家約60名が出席した。専門家らは、食料ロスと食料廃棄の削減に向けた取り組みや新たなアイディア、実例などの情報を共有すると共に、食料ロス及び廃棄の削減に向けて、アジア太平洋地域で国境を越えた協力体制や能力を構築し、ひいてはAPEC地域の食料安全保障を維持、向上させるべく議論した。
 
国際連合食糧農業機関(FAO)がまとめた研究報告によると、世界では毎年約13億トンの食料(世界の食料生産量の3分の1に相当)が損失(ロス)及び廃棄されている。台湾が行った研究でも、APEC地域における食料ロス及び廃棄の比率は、年間26.7%(6.7億トン)に達することが分かっている。そのうち、食料ロスの比率は6割、食料廃棄は4割。これらは、所得や消費水準が一定水準を下回る貧困層(約8億人)が1年間の食事を十分にまかなうことができる量である。
 
台湾は、アジア太平洋地域における食料ロス及び食料廃棄の問題を解決するため、2013年のAPECで「サプライチェーンの食品ロス削減のための官民連携強化」複数年計画を提唱した。これは、APECが助成する農業に関する初の複数年計画となった。内容は、食料サプライチェーンのうち、穀物、野菜・果物、水産・畜産品に関する食料ロスと廃棄問題について、系統的な調査と研究を行い、その解決方法を探ると共に、食料ロスに関するデータベースを構築し、APECメンバー・エコノミーの官民各部門に提供するというもの。
 
農業委員会によると、台湾が主催するAPEC「サプライチェーンの食品ロス削減のための官民連携強化」複数年計画は、すでに成果を取りまとめる段階に入っており、今回台湾で開催された「食料ロスと食料廃棄の削減に向けた専門家諮問会議」は、同計画でも重要な地位を占めるもの。各国の官民各部門や国際組織の代表らを広く招き、食料ロスや食料廃棄の削減に向けた計画推進の進展及び効果について情報を共有したほか、アジア太平洋地域における食料ロスや廃棄削減に向けて後続の行動計画を策定することが目標とされた。また、APECメンバー・エコノミーの官民各部門が参加して、APECが定めた「2020年に向けた食料安全保障ロードマップ」及び国連が定めた「ミレニアム開発目標(現在は「持続可能な開発目標」が継承)」が掲げる「貧困と飢餓の撲滅」などの目標を達成し、アジア太平洋地域における食料安全保障を促進することが目指された。
 
農業委員会は今後も、食料ロスや食料廃棄の削減に向けた関連の計画や活動を通して、アジア太平洋地域の食料安全保障の維持に貢献したいという台湾の決意をアピールしたい考え。今年のAPEC議長国であるベトナムは、すでに食料安全保障を重要な議題の一つに加えている。台湾は今年8月、「気候変動に対応した食料安全保障及び持続可能な農業に関するハイレベル会合」を、ベトナムと合同開催することを予定している。台湾は、APECの関連するハイレベル会議や閣僚会議が引き続きこの議題を重視し、食料ロス削減のための複数年計画で取りまとめた台湾のさまざまな提言を取り入れることを期待している。また、それにより台湾は、APECメンバー・エコノミーと共に、アジア太平洋地域における食料安全保障の維持に具体的措置を推進していきたい考え。
 

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