2024/04/29

Taiwan Today

外交

世界医師会、台湾のWHO活動参加を支持する決議文修正案を採択

2021/01/13
「世界医師会(WMA)」は12日、スペインで開催した総会で、WHO(世界保健機関)及びWHOの最高意思決定機関であるWHA(通称はWHO総会)などの関連活動への台湾の参加を支持する決議文修正案を可決した。前列左から3人目が台湾医師会の邱泰源理事長。(中華民国医師公会全国聯合会提供、中央社)
フランスに本部を置く非政府組織の「世界医師会(World Medical Association:WMA)」は12日、スペインで開催した総会で、WHO(世界保健機関)及びWHOの最高意思決定機関であるWHA(通称はWHO総会)などの関連活動への台湾の参加を支持する決議文修正案を可決した。中国は撤回を求めたが、議論には至らなかった。
 
この決議文修正案は台湾医師会が提出した。台湾医師会は総会開始前、各理事国に書簡を送って支持を求めており、投票の結果が可決された。
 
世界医師会は長年、台湾のWHO加盟を支持している。2005年にも決議案を可決し、台湾のWHO参加支持を表明している。12日にスペインで開かれた総会でも、台湾のWHO及びWHAの関連活動参加支持を盛り込んだ決議文修正案などが議論の対象となった。
 
台湾医師会の理事長で、与党・民進党の立法委員(=国会議員)でもある邱泰源氏によると、「世界医師会」には世界115か国・地域が加盟している。今回の総会は、新型コロナウイルスの影響を受けてオンライン形式で行われた。総会では、国立台湾大学医学院附設医院の程劭儀副教授と中華民国医師公会全国聯合会(Taiwan Medical Association)の張必正秘書長が台湾医師会を代表し、各国の代表に対して台湾の新型コロナウイルス対策を説明した。また、台湾のWHO関連活動の参加が阻害されており、困難を伴うことを、実際の資料を提示して説明した。また、各国に対してWHO憲章の精神を発揮して欲しいと訴えた。
 
邱泰源理事長によると、これに対して中国は「決議文修正案(新版)」の撤回と、2005年に採択された「決議案(旧版)」の取り消しを求めた。なお、「新版」も「旧版」も主要な精神は同じだが、「新版」のほうには台湾の新型コロナウイルスの成果と、中国が台湾のWHO参加を阻害しているなどの記述が盛り込まれている。
 
台湾医師会は、今回の総会でこの「決議文修正案」を可決させるため、昨年10月と今年の初めの2回にわたり、世界医師会の理事国や台湾に友好的な国など20カ国に対し、支持を求める書簡を送っていた。また、この過程では中華民国(台湾)外交部(日本の外務省に相当)にも協力を仰いでいた。
 
投票の結果、賛成13票、反対1票で、台湾医師会が提出した「決議文修正案」が可決された。なお、中国側の提案については附議されず、議論に至らなかった。
 
邱泰源理事長は、「今回の可決は、世界の医師たちの間で健康を基本的人権や普遍的原則と見なし、政治的な影響を受けるべきではないという考えが広まっていることを示している。また、新型コロナウイルスの封じ込めに成功した台湾モデルが、世界各国から高く評価されていることも意味している」と語っている。
 

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