2024/05/03

Taiwan Today

外交

中華民国国軍、中国機の侵入に軍事演習で対抗

2021/02/23
22日午後、中国人民解放軍のY8対潜哨戒機1機が台湾海峡の中間線を超え防空識別圏に侵入した。度重なる中国軍機の侵入を受け、中華民国海軍司令部は、防空識別圏南西部にて海軍と空軍による軍事演習を実施した。(国防部)

中国軍機による台湾南西の防空識別圏(ADIZ)の侵入が常態化する中、22日午後に、中国人民解放軍のY8対潜哨戒機1機が台湾海峡の中間線を超え、その南方から同空域に侵入した。度々の侵入を受けて中華民国海軍と同空軍は22日午後、中国大陸の脅威に対抗するため、防空識別圏南西部にて軍事演習を行った。軍事演習は、訓練空域の高度が5,000フィートから1万3,000フィート(1,524メートルから3,962メートル)、「実兵不実弾(実際の兵士たちによる実弾を伴わない訓練)」の方式で行われた。昨年10月に中華民国国軍による軍事演習が行われて以降、再び同じ海域・空域において、同様の性質の訓練が行われたこととなった。

中華民国海軍司令部の主催による今回の軍事演習は、海軍艦艇の海上および空域における艦隊の防空能力を検証するための演習。空軍が軍用機で指定された空域まで飛び、演習を支援し、実弾を伴わないものとなった。軍関係者によると、これは以前から予定されていた定期的な演習で、実際に派遣した兵士の数、規模、種類など詳細については軍当局は明らかにしないという。

中華民国国軍が過去に実施した軍事演習の大部分は、台湾本島の上空または東部海域・空域でのものだ。しかし近年、中国軍機による台湾周辺飛行が頻度を増していることを考慮し、軍事演習の場を台湾南西部に移した。これによって実際の中国大陸側の状況を想定して対応することができる。

台湾南西の空域における中国軍機の度重なる侵入、台湾が実効支配する南シナ海・東沙諸島(プラタス諸島、Pratas Islands)や太平島における防衛に関して、与党・民進党の羅致政立法委員(国会議員)は、中国大陸からの度重なる挑発や牽制によって、地域の安定が脅かされていると指摘した。その上で羅致政立法委員は、何もしないまま現況の変化を見ているわけにはいかないとし、中華民国国軍が今後も中国大陸側の展開に対応して、段階的に対策を修正していく必要があると強調した。

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