呉釗燮外交部長（外務大臣）が9日、中華民国（台湾）と正式な外交関係を有するセントビンセント及びグレナディーン諸島のラルフ・ゴンザルベス（Ralph Gonsalves）首相兼外相と電話会談を行い、台湾で今月発生した特急列車の脱線事故及びセントビンセント及びグレナディーン諸島における火山噴火の兆候などについて互いにお見舞いのメッセージを交わした。台湾東部・花蓮県では今月2日、特急列車「太魯閣号（タロコ号）」が脱線して49人が死亡する事故が発生した。
ゴンザルベス首相は、台湾での事故による犠牲者とけが人そして家族に対する哀悼とお悔み、お見舞いの意を改めて示すと共に、「セントビンセント及びグレナディーン諸島は台湾での事故を自分のこととして悲しんでいる」と述べて蔡英文総統ならびに台湾の人々へのあいさつとした。呉外交部長はこれに対し、中華民国政府と国民を代表して謝意を表した。
セントビンセント及びグレナディーン諸島の本島（セントビンセント島）にあるスフリエール山（La Soufrière）ではこのところ噴火活動に変化があり、ゴンザルベス首相は8日に災害警報のレッドアラートを発令。同国政府はすでに緊急対応の態勢をとり、付近の住民2万人を避難させるなど起こりうる災害に備えている。
呉外交部長はこの状況に対し、中華民国政府はセントビンセント及びグレナディーン諸島の必要に応じて支援を行うと約束、同国の人々ならびに政府と一緒に難局を乗り越える考えを示した。また、災害への備えに努めるゴンザルベス首相の毅然とした決断とリーダーとしての英知に敬意を表した。
外交部は、セントビンセント及びグレナディーン諸島は重要な友好国であり、国交樹立から40年間ずっと密接かつ友好的な関係が続いていると説明。今後も同国での自然災害の状況を注視し、現地での「台商」（台湾資本で主に海外で活動する企業）や華僑同胞との連絡を維持して随時必要な支援を行っていくとしている。