新型コロナウイルスの感染拡大は、各国経済に大きな打撃を与えた。これは中華民国(台湾)が世界各国に設置する在外公館にとっても業務を推進する上で大きな障害となった。こうした中でも在外公館はさまざまな策を講じ、経済・貿易外交に力を入れた。2021年第1四半期に得られた主な成果は以下の通り。
1.
半導体産業の協力によりグローバル・サプライチェーンにおける台湾の存在感示す
今年第1四半期はドイツ、スウェーデン、スロバキア、インド、ベトナムなどの国が、中華民国(台湾)の在外公館を通して、半導体分野での台湾との協力、あるいは関連のシンポジウム開催について打診してきた。
2.
革新技術の運用で都市交流を推進
今年台湾で都市と IoT をテーマにした見本市「2021智慧都市展(スマートシティ・サミット&エキスポ)」を開催。そのうち「智慧都市首長高峰会(=スマートシティ市長サミット)」や「国際都市交流会議(CTalk)」などのイベントに、在外公館を通して35カ国、62都市が参加した。
3.
経済・貿易の新局面に対応するため経済・貿易協定の締結や台湾に友好的な決議案採択を促進
今年第1四半期、台湾が世界各地に設置する在外公館は、重要な経済・貿易協定や備忘録(MOU)の調印、台湾に友好的な経済・貿易分野の決議案採択などをいくつも実現させた。例えば欧州議会は、欧州とアジアの連結性を強化する決議案を採択。台湾と欧州連合による投資協定(BIA)締結を支持する立場を示した。
4.
重要産業の世界的動向を把握し、協力を推進
今年第1四半期、台北駐ドイツ代表処(=ドイツにおける中華民国大使館に相当)など関連の在外公館は、新エネルギー産業及びEV分野での協力を模索する会議を開催した。これは重要産業の世界的動向を把握し、二者間協力を推進するのに役立った。
5.
台湾製品の輸出に関する問題解決に協力し、商機を開拓
中国政府が突如、台湾産パイナップルの輸出停止を発表したことを受け、台湾が世界各地に設置する在外公館は台湾産パイナップルの宣伝とマーケティングを強化した。その結果、日本、カナダ、オーストラリア、フランス、アイルランド、ブルネイなどが相次いで台湾産パイナップルの輸入を申し出た。
★★★★★
外交部(日本の外務省に相当)は今後も在外公館に対し、半導体、EV、新エネルギーなど重要産業の世界的動向に関心を払い、これからも任地との経済・貿易の実質関係を深化させるよう指示している。台湾の産業のために協力の機会を模索し、台湾の経済・貿易のエネルギーと影響力を拡大したいと考えている。