2024/05/07

Taiwan Today

外交

蔡総統、コペンハーゲン民主主義サミットでビデオ演説

2021/05/11
蔡英文総統(写真)は10日、The Alliance for Democracy Foundation(AoD)の招きを受けて第4回「コペンハーゲン民主主義サミット」でビデオ演説を行い、民主国家の一致団結を呼びかけた。(総統府)

蔡英文総統は10日、The Alliance for Democracy Foundation(AoD)の招きを受けて第4回「コペンハーゲン民主主義サミット」でビデオ演説を行った。蔡総統は、権威国家の勢力拡張は民主主義の価値に脅威を与えていると指摘。全世界の民主主義のパートナーたちが一致団結し、自由、法の支配、人権といった価値を守り、地域の安全と安定を維持する必要があると訴えた。また、海外の協力パートナーと二国間投資協定などを締結することは、互いのサプライチェーンの安全を確保することにつながるだけでなく、地政学上、経済上の共通利益を守ることが出来ると述べた。蔡総統の演説の概要は以下の通り。

 

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台湾は自由と民主主義を堅持するがゆえに、フェイクニュースの攻撃、経済的威圧、ひいては軍事的脅威の標的となっている。このため、わが国の政府は積極的にその防衛力を高め、民主主義を守っている。また、世界のパートナーと緊密な協力関係を築き、地域の安全と安定を共に確保しようと取り組んでいる。

 

権威国家はいままさに、このコロナ禍を利用し、ルールに基づく国際秩序の変更を目論んでいる。我々はすでに、一部の政権が重要資源を掌握することによって、その他の国をコントロールしようとする現状を目の当たりにしてきた。ゆえに我々は協力し、我々のサプライチェーンの安全を確保し、そしてグローバルな経済秩序を維持しなければならないのである。

 

我々は新型コロナウイルスと戦うと同時に、この世界的危機で大きな傷を負った友人たちを助ける責任を持つ。これには国際協力が必要であり、まさに台湾が貢献できる場面でもある。台湾は新型コロナウイルスの抑え込みに成功しているが、そのために民主主義と自由を軽視したことは一度たりともない。

 

世界保健機関(WHO)の年次総会やその他の国際会議は、台湾の専門家や政府関係者を長期にわたって排除し、台湾がその経験を国際社会と共有する機会を奪ってきた。それでも台湾は国際社会の責任ある一員として、助けを必要とする国に対して出来る限り手を差し伸べている。

 

 

最近民主国家が団結し、共通の価値を守ろうとしている姿を見て、我々は深く勇気付けられている。バイデン米大統領が提唱する「民主主義サミット」や、英国が議長国を務めるG7などによって民主国家による経済協力が強化されることにも期待している。

 

台湾の民主主義は、権威統治に反発するすべての人々の犠牲の上に成り立つものだ。いままさに、自由と民主主義が再び脅威にさらされている。国際社会は心を一つにして協力し、新たな時代の挑戦に対応しなければならない。

 

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「コペンハーゲン民主主義サミット」を主催するThe Alliance for Democracy Foundation(AoD)は、デンマークの元首相で、第21代NATO事務総長でもあるアナス・フォー・ラスムセン氏が2017年に立ち上げた非政府組織(NGO)。2018年に第1回サミットを開催。4回目となる今年は5月10日と11日の2日間、リアルとオンラインのハイブリッド形式で開催している。

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