2024/05/07

Taiwan Today

外交

蔡総統、「コペンハーゲン民主サミット」でリモート講演

2022/06/13
蔡英文総統が10日、「コペンハーゲン民主サミット」にリモート形式で参加、「台湾:全世界の民主連盟にとって欠くことの出来ないパートナー」と題して講演を行った(写真)。(総統府サイトより)
蔡英文総統が10日夜、非営利団体「Alliance of Democracies, AoD」(中国語では「民主聯盟基金会」)の招きに応じ、「コペンハーゲン民主サミット(Copenhagen Democracy Summit)」にリモート形式で参加、「台湾:全世界の民主連盟にとって欠くことの出来ないパートナー」と題して講演を行った。蔡総統が同サミットに招かれて基調講演を行うのは3年連続。
 
蔡総統は、台湾が不断の努力で権威主義勢力に対抗しているのは民主こそが核心的価値であるからだと指摘、民主は完璧ではないかもしれないが、それはすでに台湾の人々のアイデンティティのうち妥協できない一部になっているのだと説明した。続けて蔡総統は、台湾は権威主義に対抗してきた経験を分かち合う用意があるほか、理念の近い国々と連携を深め、自由で民主的な世界の秩序を守り抜く準備が出来ていると強調、貿易や投資での連携こそが権威主義に共同で抵抗し、対処していくためのカギとなる柱であるとの見方を示した。
 
その例として蔡総統は、安全なサプライチェーンを構築して基幹技術が権威主義勢力によって搾取されないようにする上で、台湾のハイテク分野は重要な役割を担うことが出来ると述べた。蔡総統はしかし、権威主義による脅威は技術の盗用や圧力、脅迫だけに限らないと警戒、ロシアのウクライナ侵攻は、一部の政権は拡張主義の目標を達成するためならばいかなる代償も惜しまないことを知らしめたと語った。このため蔡総統は、今回の「コペンハーゲン民主サミット」の2日目にウクライナの防衛と民主連盟確立に向けての方策が討論されることを歓迎した。
 
蔡総統はまた、ウクライナ人民が国土と民主を守ろうとする勇ましい精神には全ての人が啓発されていると評価、台湾は幸運にも、ウクライナ人民の勇敢な戦いを助けようとする「共同の努力」の中で一定の役割を果たすことが出来たと述べた。
 
蔡総統は、権威主義拡張に対抗するもう一つの前線では民主主義国が暴力にさらされているが、台湾もウクライナと同様に決して圧力に屈することはないと強調。脅威が日々増大しようが、自らの国家と民主的な生活方式を守り抜こうとする台湾の決意はウクライナのケースと同じように他の民主主義国の支持を集めることだろうと語った。
 
蔡総統は、台湾の民主は欧州における多くの国と似通っており、それは権威主義に反旗を翻した人々が自ら犠牲となってようやく獲得出来たものであることで、長年の努力を経たからこそ、民主の実現がどれほど困難かを深く知っているのだと説明した。そして蔡総統は、台湾は将来極めて大きな挑戦に向き合うことになるだろうが、一致団結して民主と自由の価値を信じ続けたならば必ずや目標を達成できるだろうと述べた。
 
「コペンハーゲン民主サミット」の主催者「Alliance of Democracies, AoD」はデンマークの元首相で北大西洋条約機構(NATO)の前事務総長でもあるアナス・フォー・ラスムセン(Anders Fogh Rasmussen)氏が2017年に創設したNGO。2018年に初めて「コペンハーゲン民主サミット」を開催した。今年の同サミットは9日と10日、実体のある形式で行われた。
 

 

ランキング

新着