外交部（日本の外務省に相当）の林永楽部長は26日、外交部と国立政治大学が共同開催した「東アジアの平和と安全保障」国際シンポジウムであいさつし、アメリカの「アジア太平洋地域へのリバランス」政策を歓迎し、同政策は東アジアの平和と安定、さらにはTPP（環太平洋戦略的経済連携協定）など経済面においてもプラスに働くとの見方を示した。林外交部長は、中華民国（台湾）はこの地域経済統合のプロセスに参加できるよう努力していくとしている。
アメリカのシンクタンク、戦略国際問題研究所（CSIS）のJohn Hamre会長はこのシンポジウムに出席、「東アジア地域の安全保障の情勢、アメリカの観点」と題して基調講演を行い、アメリカが中国大陸に多方面で関与し、アジア太平洋地域の安定を強化することは、アメリカの戦略的利益にかなうと指摘、また、アメリカは領土に関する紛争は外交的に解決すべきと考えていると指摘した。同氏はさらに、台湾の安全と繁栄はアメリカの重要な利益だとすると共に、アメリカの提唱するTPPは貿易と政治に関わる他、法律と外交などの平和的手段で争いを解決する規範であることからこれを支持する立場を示した。
また、Scott Brown元上院議員も、東アジアの情勢について、台湾とアメリカの関係の重要性及び中国大陸の台頭にいかにして対応していくかなどについて講演を行った。