中国大陸が南シナ海の西沙（パラセル）諸島周辺の海域で、石油掘削装置（リグ）を設置しようとしたことに対し、ベトナムの市民が集まり抗議活動が起きている。この動きが、ベトナム南部、ビンズオン省で事業を展開する台湾系企業の工場や経営者らの身の安全にも影響を及ぼしていることについて、外交部（日本の外務省に相当）は暴力行為を強く非難し、厳正なる関心を寄せているとし、声明を発表した。
一、中華民国外交部は暴力を強く非難し、またベトナムの人々に対して自制と、理性的でない行いを慎むよう呼び掛ける。台湾系企業の工場設備や経営者らの身の安全を損なうことは、台湾系企業の投資意欲にも影響し、台湾とベトナムの人々の間の長期にわたる友好関係を傷付けるものである。
二、中華民国政府は事態の進展を厳正に見守るとともに、外交部は直ちに駐台北ベトナム経済文化弁事処（駐中華民国ベトナム大使館に相当）の裴仲雲（Bui Trong Van、ブイ・チョン・ヴァン）代表（同ベトナム大使）に対し、ベトナム政府が台湾系企業経営者らの財産と身の安全を守るよう厳正に求め、裴代表もベトナム政府が全力で協力することを承諾した。
三、中華民国の駐ベトナム代表処（駐ベトナム大使館に相当）は、すでにベトナムの公安当局と密接に連携、現地の公安部門に台湾系経営者らの身の安全を保護するよう人員の派遣を求めた。駐ホーチミン市弁事処（駐ホーチミン領事館）は9日、地元の台湾系企業の団体に対し、地元に住む台湾の人々の安全に注意し、できるだけ不要な外出は避けるよう伝達した。13日には弁事処からビンズオン省に人員を派遣、現地の台湾系企業団体に関心を寄せていることを伝え、地元政府に対しても台湾系企業経営者らの家族を含め身の安全を守るよう求めた。