2024/05/05

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馬総統提唱の南シナ海平和イニシアチブ、平和と協力の海に

2015/05/27
「南シナ海平和イニシアチブ」を提唱した馬総統は、主権争いの棚上げ、資源の共同開発、争議の平和的解決を強調した。(中央社)

馬英九総統は26日午前、「2015年世界国際法学会・米国国際法学会アジア太平洋研究フォーラム」の開会式に出席した。南シナ海地域の安全について、馬総統は、「南シナ海平和イニシアチブ」を提唱し、関係各方面に対して、主権の争いを棚上げし、南シナ海の天然資源を共同で開発し、争議を平和的に解決し、南シナ海を東シナ海と同じように「平和と協力の海」にするよう呼びかけた。

馬総統は、南シナ海問題に対する、中華民国政府の基本的立場は、「歴史、地理、国際法のいずれの観点からも、南沙諸島、西沙諸島、中沙諸島、東沙諸島およびその周辺の水域が、中華民国固有の領土および水域で、中華民国が国際法上の権利を有することは疑いようがないとしている。この立場は堅固で変えたことはない。事実上、中華民国は南沙諸島最大の島、太平島に人員を継続的に駐留している。これは、南沙諸島で唯一、淡水資源を持つ太平島は、人類が居住でき、独自の経済的生活も維持できることを説明している。これは、中華民国がこの区域で主権を行使している証拠だ。」と強調した。

馬総統はさらに、「中華民国政府の立場は強固で変わらないものの、南シナ海の争議を平和的に解決したく、『南シナ海平和イニシアチブ』を提唱した」と続けた。「南シナ海平和イニシアチブ」の重要な内容の一部分は下記の通り。

中華民国政府は、南シナ海における領有権をめぐる対立に関して、「主権は我にあるが、争いは棚上げし、平和互恵で、資源の共同開発を」という基本原則を一貫して堅持する。関連各国と共同で南シナ海の自然資源を開発し、積極的に関連の対話や協力メカニズムに参加、平和的方法で争議を解決し、共に地域の平和を守り、発展を促進する。今年(2015年)は、第二次世界大戦終結70周年にあたる。各国は、この痛ましい歴史の教訓を、地域の平和と繁栄を促す原動力に変えるべきだ。南シナ海情勢が日に日に緊迫していく状況の中で、中華民国は東シナ海の平和促進の成功モデルを生かし、「南シナ海平和イニシアチブ」を提唱、関係各方面に次のことを呼びかけたい。
1. 自制して、南シナ海区域の平和と安定を維持し、緊張を高める一方的措置を控える。
2. 国連憲章および国連海洋法の条約を含む関連国際法の原則と精神を尊重し、対話と協議を通じて、争議を平和的に解決、共に南シナ海地域の水域、空域の航行および飛行の自由と安全を守る。
3. 同区域内で各当事者を、南シナ海の平和と繁栄にプラスになるシステムや措置に加えさせること、たとえば、海洋協力メカニズム、あるいは行動規範を協議して確立する。
4. 主権の争いは棚上げし、南シナ海区域における資源開発協力メカニズムを構築、総合的な計画で、エリアごとに南シナ海の資源を開発する。
5. 南シナ海の環境保護、科学的研究、海上犯罪の取締り、人道支援と災害救援などの非常時の安全保障上の議題について、対話と協力メカニズムを確立する。
中華民国政府は、各関係方面と共同で「南シナ海平和イニシアチブ」の内容と精神を実行し、南シナ海の争議を解決、南シナ海の資源を開発することで、南シナ海を東シナ海と同様な「平和と協力の海」にするよう努力する。

馬総統は、「『南シナ海平和イニシアチブ』に関して、関連機関は後日、更に詳しく説明する。原則的に中華民国が、利害関係者および区域のピースメーカーとして責任ある役割を果たしたいと考えている。私たちが強調したいのは、『主権は分割できないが、資源は共有できる』、『主権争議の代わりに資源の共有を』。私たちが主張しているは、『争議の棚上げ、共同開発』、かつ『総合的な計画、エリアごとの開発』。私たちがよびかけたいのは、『自由な航行、飛行の自由」の原則が南シナ海で尊重されること。私たちの目的は、大きな衝突が起きる前に、実務的で将来性のある方法を提供すること。台湾海峡、東シナ海、南シナ海に関わらず、争いの平和的な解決を望むという私たちの姿勢は一貫している。ご来場の皆様も、これが国際事務を処理するのに最も正しい態度だということに賛同すると信じている。」と締めくくった。

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