2024/05/09

Taiwan Today

外交

中華民国、南シナ海問題に対する立場を重ねて表明

2015/11/02
南シナ海をめぐる紛争に関する仲裁裁判所の決定を受け、中華民国政府がその立場を重ねて表明した。(行政院環境保護署サイトより)

オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所が、フィリピンと中国大陸との間の南シナ海をめぐる紛争の仲裁管轄権について10月29日に下した決定に対し、中華民国(台湾)政府は10月31日、関連状況を把握しているとすると共に、南シナ海における問題についての立場を重ねて表明した。中華民国政府が表明した立場の主な内容は以下のとおり。

一、歴史、地理、国際法のいずれから見ても、南沙諸島、西沙諸島、中沙諸島、東沙諸島(以上、総称「南シナ海諸島」)とその周辺海域は中華民国固有の領土及び海域に属し、中華民国はこれら四つの諸島とその周辺海域において国際法上の権利を有する。

二、南シナ海諸島は中華民国が最も早く発見し、命名し、使用すると共に領土の版図に加えた。また、1952年4月28日に発効した「サンフランシスコ平和条約」、並びに同日調印して同年8月5日に発効した「中華民国と日本国との間の平和条約」、及びその他、関連の国際的法律文書は、日本が占領していた南シナ海の各島礁はいずれも中華民国に返還されるべきであることを確認している。

三、1956年、中華民国は南沙諸島において最も大きく(約0.5平方キロメートル)、自然に形成された島嶼である太平島に軍隊を派遣し、駐屯させた。太平島は「海洋法に関する国際連合条約(国連海洋法条約)」第121条にある島嶼としての要件を満たしているのみならず、人の居住と経済生活が可能であり、断じて岩礁ではない。これを否定しようとする主張はそれがどの国によるものであろうが、太平島の島嶼としての地位と、同島が「国連海洋法条約」に基づいて享受する海洋の権利を損なうことは出来ない。

四、中華民国はこれまでずっと、「国連憲章」及びその他、関連の国際法の定める、紛争の平和的解決や、自由な航行・飛行の権利に関する規定を遵守している。

五、中華民国政府は南シナ海の周辺各国(地域)に対し、「国連憲章」及び「国連海洋法条約」の規定と精神を尊重し、自制することで南シナ海の平和と安定の現状を維持し、南シナ海での航行と飛行の自由を確保するよう呼びかける。また、緊張を高めるいかなる措置もとらず、平和的な方法で争いを解決するよう求める。

六、中華民国政府は今年5月26日、「主権は我が方にあるが、争いは棚上げし、平和互恵で、共同開発」を基本原則とする「南シナ海平和イニシアチブ」を発表しており、平等互恵の対話を基礎に、関係当事者と共に、南シナ海の平和と安定を促進し、南シナ海の資源を共同で保護し、開発していく用意がある。

七、フィリピンは、同国と中国大陸との南シナ海に関する仲裁手続きにこれまで中華民国を招いておらず、また、仲裁裁判所もこの案件について中華民国の意見を求めていないため、中華民国は今回の決定に関わっておらず、中華民国政府はこの案件に関する決定を認めず、受け入れない。

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