2024/05/03

Taiwan Today

外交

他国の治安維持支援は対外政策のブルーオーシャン=馬総統

2016/03/25
2016年防災・救助及び国際人道支援交流演習が24日、内政部消防署訓練センターで行なわれた。(中央社)

馬英九総統は24日、中華民国(台湾)の防災能力は輸出可能なソフトパワーだとの見方を示した。馬総統は、諸外国のうち中南米の友好国が治安維持の面で台湾の協力を特に必要としていると指摘、他国が防災や犯罪防止の体制を整えるのに協力することは将来の対外政策におけるブルーオーシャンになると述べた。ブルーオーシャンとは、競争の激しい既存の市場・領域(レッドオーシャン)ではなく、競合相手のいない市場・領域のことを指す。

2016年度の中華民国軍防災訓練と「2016年全民防衛動員及び災害防救演習(民安2号演習)」の台湾中部・南投地区演習を結びつけた訓練が24日、南投県竹山鎮(鎮は行政区画の一つ)の行政院(内閣)消防署訓練センターで行なわれた。馬英九総統はあいさつの中で、国連の緊急災害データベース(EM-DAT)によれば、2014年に世界で起きた深刻な自然災害は226件で、大部分がアジアに集中していると指摘。これはアジアの人口が世界で最も多いからで、人口密度の高さが被害の程度を深刻にするという。

馬総統は、災害防止の体制は長年にわたって絶えず経験を積み重ねており、過去7年あまりにおいては10万人近い人々の災害回避を助ける成果を上げたと指摘、こうした経験は大変貴重で、みなと分かち合う価値があると強調した。現在、竹山鎮の消防署訓練センターはアジア最大の規模で、66種類に及ぶ訓練施設を備えた災害防止基地となっている。消防署の人員以外に、他の団体の人員の訓練も代行している。

馬総統は、2013年に中華民国が米ハワイと民間の消防技術交流を行なったこと、また2014年には韓国消防学院の教官の訓練を代行したこと、そして現在はフィリピンにおける華僑の私設消防団の訓練にも協力していることを説明、訓練センターではまた、複数の国と協力覚書の締結を話し合っているとして、「我々の防災能力は明らかに国際社会から評価されており、輸出可能なソフトパワーになっている」と述べた。

馬総統はまた、日本の内閣府の防災担当者が24日の演習に参与したことを喜ぶと共に、中華民国と日本の災害防止・救助での協力関係はずっと緊密に保たれていると指摘した。

馬総統は、自分は台湾が国際社会におけるピースメーカー(平和の創造者)と人道支援の提供者になれるよう力を尽くしており、台湾の対外的な人道支援の取り組みは世界から認められるようになったと述べた。馬総統はまた、中南米に位置する友好国が治安維持の面で台湾の協力を特に必要としていることに気付いたとし、2年前にドミニカ共和国に協力して緊急通報用電話システムと防災体制を築いたことが大きな成果を上げたことを説明。馬総統は、これは将来の対外政策におけるブルーオーシャンであり、台湾の災害防止・救助、そして犯罪防止の経験はこれらの国々にとって大いに参考価値があることを示していると述べた。

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