蔡英文総統は26日、中米に位置する中華民国（台湾）の国交樹立国、グアテマラ共和国、ドミニカ共和国、エルサルバドル共和国、ホンジュラス共和国の大統領または副大統領と会見する共に、これらの要人に対して台湾訪問を招請した。蔡総統はまた、グアテマラ共和国のハフェット・カブレラ副大統領と会見した際、医薬分野などでの新たな協力を約束した。
蔡総統は26日、中米・パナマ共和国で開催されたパナマ運河拡張工事の完成式典に参加した。式典前、グアテマラ共和国のハフェット・カブレラ副大統領、ドミニカ共和国のダニーロ・メディーナ大統領、エルサルバドル共和国のオスカル・オルティス副大統領、ホンジュラス共和国のフアン・オルランド・エルナンデス大統領と会見した。
総統府の曽厚仁副秘書長が明らかにしたところによると、蔡総統はグアテマラ共和国のハフェット・カブレラ副大統領と会見した際、今後、医療、衛生、教育、インフラ整備など、施政の主軸となる分野で交流及び協力を強化したいと述べた。特に台湾が強みを持つ製薬分野について、今後双方の話し合いを深め、新たな協力関係を模索したいと述べた。
ドミニカ共和国のダニーロ・メディーナ大統領は、より多くの台湾の繊維・アパレル業者が同国で投資を行うことを期待すると述べた。蔡総統はこれに対し、繊維・アパレル産業は台湾の強みであり、両国が築き上げた既存の基礎の上、経済・貿易など各分野での協力展開を期待すると述べた。
エルサルバドル共和国のオスカル・オルティス副大統領は、同国製品のアジア市場開拓に当たり、台湾市場がその足がかりになるよう期待すると述べた。蔡総統は、経済部およびその外郭団体で対外輸出促進を担当する中華民国対外貿易発展協会（TAITRA、日本での名称は台湾貿易センター）を含めた関連省庁に指示し、そのプラットフォーム作りについて検討させ、同国製品のアジア市場や台湾市場での販路開拓に協力したいと述べた。
ホンジュラス共和国のフアン・オルランド・エルナンデス大統領は、中華民国政府が提供する奨学金は、同国の人材の育成と能力向上に大きく役立っていると感謝すると共に、今後も両国の交流と協力が深まることを期待すると述べた。蔡総統はこれに対し、両国政府が協力し、双方の企業や学生らの交流強化を奨励するプラットフォームを築き上げ、ホンジュラス共和国からより多くの若者が台湾に留学できるようにしたいと述べた。
蔡総統はまた、「個人的な意見」としながら、台湾に留学して学位を得た留学生たちが、今後、台湾の様々な企業で研修を受け、学んだことを仕事に結び付けられるような機会を作りたいと述べた。
曽厚仁副秘書長によると、蔡総統はこのほか、これらの国交樹立国の大統領及び副大統領に対し、都合のよい時期にぜひ台湾を訪問し、台湾との交流と協力関係を深めてほしいと伝えた。