2024/04/28

Taiwan Today

外交

国家主権防衛へ、多角的対話望む=行政院長

2016/07/15
林全行政院長が、「南シナ海に関する仲裁裁判」では仲裁過程から判決文の発表までに三つの不適切な点があると指摘し、争いの解決に向けた多角的な対話の実現を望む立場を示した。写真は太平島。(中央社)

林全行政院長(首相)は14日の閣議で、フィリピンが《国連海洋法条約》に基づいて提起した「南シナ海に関する仲裁裁判」で、常設仲裁裁判所(オランダ・ハーグ)は7月12日に判断を下したとした上で、この仲裁過程から判決文の発表までには三つの不適切な点があると指摘した。

不適切な点とは、まず、「中国台湾当局(Taiwan Authority of China)」という不当な名称で中華民国(台湾)を呼称し、中華民国の主権国家としての地位を貶めたこと。次に、仲裁裁判所が無断で権限を広げて仲裁の対象ではなかった太平島(南シナ海に浮かぶ南沙諸島最大の島)の法的地位を「岩礁」と認定し、中華民国の「南海諸島(南シナ海の島々)」及びその海域における権利を損なったこと。そして、仲裁の審理過程では中華民国を審理に招かず、その意見も全く求めなかったこと。このため今回の判断は中華民国政府が受け入れられないだけでなく、また、中華民国に対して一切の法的拘束力を持たない。

林行政院長はまた、中華民国として四つの主張を行なった。第一に、中華民国は「南海諸島」と関連の海域に対して国際法及び海洋法に基づく権利を有しており、政府は引き続きこれらの島々を守り、主権を防衛し、中華民国の国益を損なういかなる情勢にも譲歩しないこと。

第二に、「争いを棚上げし、資源は共同で開発する」方式で、南シナ海における紛争に平和的に対処すること。また、中華民国は平等な対話を基礎に関連の国々と共同で南シナ海での平和と安定を促し、その海洋資源を共同で守り、開発していく用意があること。

第三に、中華民国は多角的な紛争解決メカニズムに加えられるべきであること。中華民国は将来の、南シナ海における多国間の平和的な紛争解決メカニズムにとって欠かすことの出来ないメンバーであり、台湾がその枠組みに加えられない場合、同メカニズムは争いを完全に解決するための機能を発揮できないこと。

そして第四に、台湾は関係各方面との多角的な対話が1日も早く実現するよう望んでいる他、南シナ海での環境保護、科学研究、海での犯罪取締り、人道支援、災害救助など、従来とは異なる安全保障問題に対する国際協調と協力のメカニズムを確立し、南シナ海の平和と安定のために共に努力したいと希望していること。

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