2024/05/02

Taiwan Today

経済

ウリ科のうどんこ病防止に天然合剤を開発

2017/01/19
行政院農業委員会台中区農業改良場が、エビやカニなど甲殻類の外骨格から、ウリ科の植物(写真)のうどんこ病防止に役立つ「キトサン合剤」を作り出すことに成功した。(中央社)
行政院農業委員会(日本の農水省に相当)台中区農業改良場(台湾中部・彰化県)は18日、微生物による発酵と分解技術を用い、3年間を費やして、エビやカニなど甲殻類の外骨格から「キトサン合剤」を作り出すことに成功したと発表した。ウリ科の植物に発生しやすいうどんこ病の治療と防止に効果的だという。
 
キチン(カニやエビの殻、昆虫の表皮、イカなどの骨格、きのこなどの細 胞壁に含まれる動物性の食物繊維、キトサンはキチンから抽出されるもの)は抗菌性を持ち、植物の成長を促す他、植物の免疫力を強化したり、病気への抵抗力を高めたりすることができ、病虫害を間接的に防ぐことが可能。このほど開発された「キトサン合剤」は天然で汚染が少ない他、製造のための原料の消費量も少ない。また、含有量が多く、効果が高い一方で生物に対する毒性が低い。また、製造にあたっての初期投資が少なくて済み、コストの素早い回収が可能。同合剤の製造技術は現在、民間への移転を進めており、早ければ今年下半期にも市場に流通させて農家が使えるようになるという。
 
この配合剤はすでに動物と昆虫などを対象にした毒性試験及び理化学特性分析を終えている他、延べ3回に及ぶ耕作地での試験も行なった。その結果、「キトサン合剤」はうどんこ病による被害を減らし、キュウリの収穫を3割増やせたことが確認された。
 
現在、この技術をうどんこ病の防止や治療に用いた例は世界でも無く、世界をリードする技術だと言える。同配合剤は100%天然で有機栽培によるものであるため、スプレッダーで作物に噴霧しても残留の問題は無い。病虫害の防止率を高められる他、病気の抑制効果が長く続くことも特徴だという。
 
 

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