2024/04/28

Taiwan Today

経済

屏東産カカオ、日本人ショコラティエも認める高品質

2017/04/13
屏東県のカカオ農園を訪れた土屋公二シェフ(左)。呉献章さん(右)が手にしているのはクリオロ種のカカオ。(中央社)
台湾最南端の屏東県では、地元の農家、邱銘松さんによって15年前からカカオの樹が導入され、今ではその面積が300ヘクタール近くにも達した。現在、25のチョコレートブランドが開発されている。また、屏東産カカオを使ったチョコレート製品の開発も手掛けるリゾートホテル「福湾荘園」(屏東県)では、日本屈指のショコラティエ、土屋公二シェフを現地に招いて、台湾・日本間のチョコレート交流も行った。
 
土屋シェフは1999年に東京渋谷区富ヶ谷にカフェ「ミュゼ ドゥ ショコラ テオブロマ」をオープン、日本にチョコレートブームを巻き起こした。土屋シェフは12日、屏東県内埔郷にある呉献章さんのカカオ畑を見学した。そこで真っ白なカカオ豆を発見した土屋シェフは「これはクリオロ種(CRIOLLO)と呼ばれるもので、今までに多くの国を訪れカカオ畑を見学したが、実際に見るのは初めて」と語った。
 
カカオ豆は白ければ白いほど品質が優れていると言われ、土屋シェフは呉さんに、クリオロ種を発見したら必ずしるしをつけてからそれを大量に栽培し、また、ほかの品種と交配させて屏東ならではの高品質のカカオを開発することをアドバイスしたという。
 
屏東に植えられているカカオの樹は千種以上にも及び、邱さんは導入当初、様々な品種を試験的に植えてカカオの栽培促進に取り組んでいた。現地の栽培に適した品種があったら農家は早速その栽培に取り掛かったという。呉さんは自分の農園にあるクリオロ種は邱さんのところからきたもので、カカオ畑にはこのようなクリオロ種のカカオの樹がどれぐらいあるかわからないと述べた。
 
福湾荘園のオーナーシェフ、許華仁さんは、「チョコレート業界では、クリオロ種は最高品種のカカオ豆であることを誰もが知っている。また、とても希少で価値が高く、世界中で3~5%しか生産されていない。主に中央アメリカのベネズエラ、ペルーなど生産されている。呉さんの農園のクリオロ種は、長年の試作を経て、すでに屏東県の気候や風土でも育つように順化した」と語った。
 
土屋シェフはさらに、屏東産のカカオの品質が欧州やベトナムより優れていると指摘した。台湾のカカオの味はとても濃厚で、果実も大きく、品質も非常に優れていることから、あとは、発酵と乾燥がうまくいけば、とても有望だと期待を示した。
 
行政院農業委員会(日本の農林水産省に相当)は、カカオ農園、チョコレート製造業者と協力して、屏東を台湾チョコレート発展の主要地としていきたい考えだ。

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