2024/05/04

Taiwan Today

経済

近年まれに見る大規模な経済訪問団、EUとの協力強化目指す

2017/06/27
ベルギーの首都ブリュッセルで現地時間26日と27日、台湾の経済・貿易訪問団とEU(欧州連合)の各団体らが、2017年「台湾・EU未来産業対話会議(EU-Taiwan Event on Industry of the Future)」を開催している。台湾側の訪問団は、行政院(内閣)の鄧振中政務委員(無任所大使)や行政院環境保護署(日本の環境省に相当)の李応元署長(大臣)をはじめ、合計110名以上からなる近年まれに見る大規模なものとなっている。(「台湾・EU未来産業対話会議」特設サイトより)
行政院(内閣)の鄧振中政務委員(無任所大使)と行政院環境保護署(日本の環境省に相当)の李応元署長(大臣)が率いる大規模な経済訪問団が26日より、ベルギーの首都ブリュッセルでEU(欧州連合)の各団体らと共に、2017年「台湾・EU未来産業対話会議(EU-Taiwan Event on Industry of the Future)」を開催している。台湾とEUの各産業における実質的な結びつきを強化するのが狙い。
 
鄧政務委員と李署長が率いる訪問団は、中華民国(台湾)の政府関係者、研究機関、同業者組合、企業の代表者など110名以上からなり、ベルギーの首都ブリュッセルで現地時間26日と27日に開催される「台湾・EU未来産業対話会議(EU-Taiwan Event on Industry of the Future)」に出席するため、現地を訪れている。
 
110名以上からなる訪問団は近年まれに見る規模で、台湾・EUの経済・貿易関係に対する政府及び民間企業の関心の高さと、EUとの協力関係確立に対する強い期待が伺える。
 
初日は鄧政務委員と李署長、それに欧州委員会(European Commission)の代表が「産業対話会議」を開催し、それぞれ重点産業の発展政策について報告した。
 
欧州側は、EUが優先する産業政策として、域内統合による単一市場の形成促進、改革による競争力向上、デジタル産業と循環型経済(サーキュラーエコノミー)の発展などを挙げた。
 
鄧政務委員は、台湾の産業クラスターの現状と政策について説明すると同時に、次世代産業の成長を促すため、政府が主体となって五大イノベーション産業に新農業と循環型経済を加えた「5+2」産業政策を全力で推進していることを説明した。また、その具体例として、機械産業のレベルアップの推進、AI(人工知能)の発展、自動運転技術などIoT(モノのインターネット)の自動車産業への応用、太陽光発電や風力発電など再生可能なグリーンエネルギー技術の推進、循環型経済の理念を持ったグリーンイノベーション材料産業などの発展を挙げ、これらを通して台湾とEUの各産業における協力関係をより緊密なものにしてきたいと抱負を述べた。
 
一方、李署長は循環型経済を中心に台湾の状況を説明した。李署長は、台湾が現在、資源ごみの回収率が世界2位であることを説明した上で、これを基礎として循環型経済を推進したいと強調した。その具体例として廃棄物の資源化、産業のバリュー・チェーンの連結、循環経済専区(循環型経済特区)の設置、循環型経済へ向けた産業構造転換に伴うビジネスチャンスなどを挙げた。また、2020年までに資源ごみの回収率を61%に引き上げること、2022年までにアジアにおける循環型経済のホットスポットになるなど具体的目標についても言及した。
 
李署長はさらに、今年の「台湾・EU未来産業対話会議」はEUの産業政策のコンセンサスに呼応したものとなり、台湾とEUは今後、プラスチック産業の構造転換、廃棄食品のリサイクル、廃棄電子製品からの重要な貴金属回収、バイオエネルギーの利用、建設廃棄物の管理など、5つの領域で協力の可能性があると示唆した。
 

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