2024/05/02

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経済

台湾初の国産人工衛星、打ち上げ成功

2017/08/25
台湾が完全に自主開発した初の国産地球観測衛星「フォルモサット5号」が台湾時間25日午前2時50分、カリフォルニア州バンデンバーグ空軍基地から打ち上げられた。打ち上げロケットには全国児童絵画コンテストで選ばれた朱嘉尹さん(写真)の作品がペイントされた。(中央社)
台湾が完全に自主開発した初の国産地球観測衛星「フォルモサット5号(中国語の名称は福爾摩沙衛星五号、略称は福衛五号)」が台湾時間25日午前2時50分、米スペース・エクスプロレーション・テクノロジーズ社が提供する商業用打ち上げロケット「ファルコン9」に搭載され、カリフォルニア州バンデンバーグ空軍基地から打ち上げられた。台湾の航空宇宙産業にとって、新たなステージの幕開けとなった。
 
打ち上げロケット「ファルコン9」には漢字で「台湾」の二文字と、英語表記の「TAIWAN」の文字が記載されたほか、台湾で行われた「フォルモサット5号全国児童絵画コンテスト」で選ばれた最優秀作品がペイントされた。
 
フォルモサット5号はリモートセンシング衛星で、重量450㎏(ペイロード、燃料を含む)、総工費56億5,900万台湾元(約203億日本円)、高さ2.8m、外径約1.6mの八角柱を成している。また、サイエンスペイロード(観測や分析などを行うための各種搭載機器)として光学リモートセンシング装置や、最先端の電離層観測装置(AIP)を搭載している。これは、宇宙天気のモデル構築や、プラズマの乱流や変化の観測、地震発生直前の電離圏異常の研究などに役立つと期待されている。フォルモサット5号は、2016年8月に12年に及ぶ運用を終えたフォルモサット2号の後継機として活躍することになる。
 
財団法人国家実験研究院国家太空中心(NSPO)の張桂祥前主任は、「フォルモサット5号の研究・開発には6年の歳月を費やした。最も台湾らしい人工衛星となっただけでなく、台湾の航空宇宙産業の歴史において大きな一歩になった」と述べた。台湾は26年前から航空宇宙計画に取り組んでおり、フォルモサット5号は台湾が打ち上げに成功した4つ目の人工衛星となる。
 
張桂祥前主任によると、台湾はフォルモサット2号を通して、外国との協力によって「学習」する機会を得た。フォルモサット3号では、海外の専門家と交流する機会を得たほか、シミュレーションを行うことができた。フォルモサット5号は、人工衛星の研究・開発を主な任務としており、台湾の航空宇宙産業の発展における基礎を作った。航空宇宙計画はまた、台湾の産業にとって、製品性能を証明するプラットフォームにもなっている。衛星を飛ばせた経験さえあれば、それだけ商品の競争力が高まる。このため、この計画に携わった台湾企業は、海外市場の開拓をスムーズに行うことができる。張桂祥前主任は「今後も台湾で進められる人工衛星計画は、国産品を採用し、台湾の産業のさらなる発展に貢献したい」と語る。

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