2024/05/05

Taiwan Today

経済

国際ブランドに負けず、台湾の2社が持続可能なビューティー賞を獲得

2017/11/07
仏パリで行われた「持続可能なビューティー・アワード」で、台湾の欧萊得と和和実業の2社が「持続可能な」パッケージやリーダーシップ、原料の各部門で準優勝を果たした。写真は「持続可能なパッケージ」部門と「持続可能なリーダーシップ」部門の準優勝盾を手にする欧萊得の葛望平董事長。(中央社)
仏パリで行われた「持続可能なビューティー・アワード(Sustainable Beauty Awards)」の結果が6日に発表された。同アワードは専門的な研究・コンサルティング・トレーニング会社として世界のオーガニック関連製品業界に力を入れているEcovia Intelligenceが実施。エシカル・コンシューマリズム(倫理的な消費)にかなった製品と工業に主に関心を寄せ、「持続可能な発展」を特に奨励している。賞の部門は「グリーンな配合(Green Formulations Award)」、「持続可能なパッケージ(Sustainable Packaging Award)」、「持続可能な原料(Sustainable Ingredient)」、「持続可能な開拓(Sustainability Pioneer)」、「持続可能なリーダーシップ(Sustainability Leadership Award)」の5つ。
 
台湾の欧萊得(Hair O' right Int'l Corp.)と和和実業(H&H GROUP CO., LTD.)はAveda(アヴェダ)など国際的に知られるブランドと競った結果、欧萊得が「持続可能なパッケージ」部門と「持続可能なリーダーシップ」部門で準優勝。「持続可能な開拓」部門ではノミネートの評価を受けた。また、和和実業は「持続可能な原料」部門で準優勝を果たした。
 
欧萊得の葛望平董事長(会長)はアレルギー体質に加えてぜんそくの持病がある。さらに親族の多くががんに罹ったこともあり、葛董事長は2002年、人類の健康を脅かす製造パターンを天然の素材、環境保護の概念を以って変えようと考えて創業した。その製品は現在、台湾で販売されている他、海外では主に環境保護意識の強い欧州をターゲットにしている。
 
同社の「瓶中樹珈琲因洗髪精(tree in the bottle caffeine shampoo=カフェインシャンプー)は、コーヒーオイルを抽出して製造。さらに本来廃棄されるコーヒー抽出後の「かす」をボトルに生まれ変わらせている。このボトルは土の中で完全に分解される。さらにボトルにはコーヒーの種が入っており、ボトルを捨てることが「植樹」になるという。このアイデアは会場の同業者から絶賛された。
 
主催者側は、欧萊得はグリーンファクトリー、グリーンサプライチェーンのコンセプトまで実現した他、大きな啓発をもたらしていると評価。皆に、「身近なものにはどんな物質が含まれていてはいけないのか」を告げ、さらには「こんな包装も可能、こんな原料も可能」だと知らせていると指摘した。
 
葛望平董事長は創業後の15年間、台湾の状況を観察してきた感想として、台湾の人たちが食品の生産履歴や環境との関係を大変気にしていること、またスキンケア用品、化粧品、衣料品の染料などへの関心も高まっていることを挙げ、台湾の人たちの環境を意識した消費(green consumption)は「爆発的に広まることはないが、安定して成長している。健康を重視する人がますます増えているからだ」と話した。
 
和和実業は2015年に創業。傘下のブランド、「奇跡荘園(ÂGE D'OR)」シリーズは今年発売されたばかりながら、特許を擁する成分、「Sadorfons」によって「持続可能な原料」部門で準優勝した。「Sadorfons」は有機栽培されたムクロジの種の中身から抽出した成分だという。和和実業における輸出部門の劉芸マネージャーによれば、天然の素材を用い、皮膚や頭髪の問題に悩む消費者が心配なく使用できる製品を作ることが同社の理念。開発の出発点は、湿疹やアトピー性皮膚炎などの問題を抱えた皮膚で、3年から4年を費やしてついに「Sadorfons」の効果が得られたという。創業からわずか2年ながら、和和実業はすでに香港、マカオなどへの輸出を開始、同時に中国大陸、マレーシア、インドなどの市場開拓にも努めている。
 
なお、「カフェインシャンプー」はドイツのレッド・ドット・デザイン賞で2013年の最高栄誉、「ベスト・オブ・ザ・ベスト」に選ばれている。
 

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