2024/04/29

Taiwan Today

経済

台湾電力公司の本社ビル、米LEEDプラチナ認証獲得

2018/05/09
台湾電力公司の本社ビル(台湾北部・台北市)は、米USGBC(米国グリーンビルディング協会)から、グリーンビルディングの認証システムLEED(Leadership in Energy and Environmental Design)のうち既存ビル部門の最高評価であるプラチナ認証を受けた。写真は8日、米USGBCのMahesh Ramanujam会長(左)から認証プレートを手渡される台湾電力公司の楊偉甫董事長(=会長、右)。(中央社)
台湾北部・台北市の公館にある台湾電力公司の本社ビルは、台湾全土の電力にとって心臓部に当たる。1982年竣工、27階建て、高さ114mを誇り、竣工当時は台湾で唯一の高さ100mを超えるビルだった。同ビルはこのほど、米USGBC(米国グリーンビルディング協会)が実施するグリーンビルディングの認証システムLEED(Leadership in Energy and Environmental Design)のうち、既存ビル部門の最高評価であるプラチナ認証を受けた。
 
台湾電力公司の本社ビルは、既存ビルに新たなスマート省エネ機能を取り入れる取り組みを進めている。iBEMS(インテリジェント・ビルエネルギー管理システム)でエネルギーの使用状況を制御・分析し、空調システムを更新、環境に配慮したグリーンデータセンターを構築するなどして、1年で160万度(1度はkWh)の節電と、4,000トン近くの節水に成功している。台湾でLEEDプラチナ認証を受ける既存ビルは、台北101ビル、台湾積体電路製造(TSMC)のビル3棟、台達電子(デルタ電子)、華碩(ASUS)のビルに並ぶ7例目。台湾では最も古いビルによるLEEDプラチナ認証となった。
 
LEED認証は世界167カ国・地域で普及する、世界で最も知名度の高いグリーンビルディング認証制度。米USGBCのMahesh Ramanujam会長が8日午前、台湾を訪れてLEEDプラチナ認証の認証プレートを手渡した。Mahesh Ramanujam会長は、「台湾電力公司はグリーンビルディング改造計画でプラチナ認証を獲得した。これは我々の既存ビルに対する認識と想像を打ち破るものだった」と台湾電力公司の取り組みを評価した。
 
LEED認証は、省エネ、水の効率的利用、室内環境、材料と資材、サスティナブルな敷地利用など5つの評価カテゴリーで建築物の環境性能を評価するもの。その達成度に応じて、標準認証、シルバー、ゴールド、プラチナの4段階の認証を与えている。
 
台湾で現在、LEED認証を受けている建築物は115棟。これらの建築物は、新規ビルと既存ビルに分けることができる。既存ビルは当初の設計上の制限もあり、新規ビルのように容易にグリーンビルディングのコンセプトを取り入れることができない。しかも、電力使用の評価部分については、既存の同タイプのビルと比較するほか、新規ビルよりも低くなる必要がある。さらに、最高認証となるプラチナ認証を得るには、すべての評価項目で80%以上のポイントを獲得する必要がある。
 
世界では現在、10,955棟のビルがLEED認証を申請しているが、プラチナ認証を取得しているのは全体のわずか4%、合計445棟にとどまっている(2018年5月7日現在)。米ニューヨークにあるエンパイア・ステート・ビルディングですら、LEED認証ではプラチナの下であるゴールド認証にとどまっている。台湾電力公司は公営電力会社であることから、台湾では初めての公的機関によるLEEDプラチナ認証となる。
 
台湾電力公司は、iBEMS(インテリジェント・ビルエネルギー管理システム)でビルの電力、温度、湿度、二酸化炭素濃度などエネルギー使用と排出を監視、制御、分析、調節し、省エネを実現しながら快適なオフィス環境を作り上げている。
 
台湾電力公司によると、本社ビルの電力使用量のうち、最も大きい部分を占めるのは空調(約30%)によるものだった。同社は、工業技術研究院(ITRI)が開発した技術を導入し、1年間で93.2万度の節電に成功した。これにより、LEED認証の評価カテゴリーのうち、省エネ分野で満点を獲得することができた。また、世界のほかのオフィスビルの中でも、省エネ分野の評価は上位5%以内に食い込むことができた。さらに、電力使用量の20%以上を占めていた資料計算センターについても、電力消耗量を50%近くカットすることに成功。1年間で70万度近くの節電に成功した。
 
台湾電力公司では、今回LEEDプラチナ認証を受けた本社ビルだけでなく、台湾南部・屏東県恒春にある南部展示館でも太陽光発電で年間6万度の電力を生み出している。また、空調及び照明システムの改修により、LEEDゴールド認証と、台湾のグリーンビルディング認証であるEEWHの最高評価ダイヤモンド認証を得ている。台湾中部・台中市に置く台湾電力公司台中区営業処もEEWHゴールド認証を獲得。台湾電力公司では、これら3つのビルで年間300万度近くを節電している。これは750世帯(1世帯当たり4人、月間330度を使用する計算)の1年間の電力使用量に匹敵する。

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