2024/04/29

Taiwan Today

経済

製薬大手アストラゼネカ、台湾に18億元投資を発表

2018/09/26
設立70周年を迎えた台湾アストラゼネカは今後3年間、投資額を10億台湾元以上増加することを発表した。「合作意向書」のパネルを手に持つ男性3人は左から台湾アストラゼネカのSimom Manners総裁、TSPA計画責任者の王恵鈞氏、国家バイオテック・インキュベーションセンターの丁詩同代表。(台湾アストラゼネカ提供、経済日報)
英国に本社を置く製薬大手、アストラゼネカ(AstraZeneca)は25日、台湾における臨床研究の先行きが明るいとみて、今後3年間の投資額を10億台湾元(約36億日本円)以上増加することを発表した。この投資計画は、10種類の新薬を発売、140もの良質な雇用機会の創出を促進し、政府の掲げる「5+2」産業イノベーション計画に呼応する。「5+2」産業イノベーション計画とは、5大イノベーション産業(アジアのシリコンバレー・スマート機器・グリーンエネルギー・バイオ医療・国防産業)に新農業と循環型経済を加えたもの。
 
台湾での研究・開発規模を拡大するため、台湾アストラゼネカのSimom Manners総裁は25日、台湾北部・台北市南港の「国家バイオテック・インキュベーションセンター」および「革新的なバイオ医薬品開発に向けたトランスレーション研究発展計画-技術支援プラットフォーム(Program for Translational Innovation of Biopharmaceutical Development-Technology Supporting Platform Axis、TSPA計画)」と提携覚書を締結した。これで台湾におけるバイオ医薬品産業の発展を促すよう期待が持たれる。提携覚書の締結には、衛生福利部(日本の厚生労働省に類似)の陳時中部長、経済部(日本の経済産業省に相当)の王美花次長(事務次官)、英国国際通商省(DIT)のジョージ・ホリングベリー(George Hollingbery)貿易政策担当相が立ち会った。

アストラゼネカは世界のベスト20に入る製薬大手で、抗がん剤の研究・開発、製造においては最大規模を誇ると言われている。2017年の売上高は230億米ドルを超えた。
 
1948年に台北市に事務所を設立したアストラゼネカは、台湾に初めて進出した多国籍企業の一つだ。2018年に台湾において事務所設立70周年を迎え、Simom Manners総裁は、台湾市場に発展が見込まれ、臨床研究分野における人材など優位性があるとして、台湾での研究・開発と臨床研究への投資拡大計画を発表した。
 
Simom Manners総裁によると、台湾においてはバイオ医薬品の開発・研究に重点を置き、2021年末まで臨床研究の予算を毎年平均2億3,000万台湾元(約8億3,600万日本円)から6億台湾元(約22億日本円)に増加する。この計画で、今後3年間に総額18億台湾元(約65億日本円)余りが台湾へ投資され、さらに140の良質なバイオ医薬に関する雇用機会が創出される。
 
Simom Manners総裁は、「台湾の新薬開発に関する優れた能力を考慮して、アストラゼネカは設立されたばかりの『国家バイオテック・インキュベーションセンター』及び『TSPA計画』と提携することを決めた。共同で台湾の優れた研究・開発人材を育成し、台湾のバイオ医薬品産業により多くの投資をもたらすよう促し、台湾のバイオ研究向上に努めたい」との意気込みを語った。(経済日報)

ランキング

新着