2024/05/05

Taiwan Today

経済

音声入力アプリ「雅婷逐字稿」、中国語と英語が混在する音声にも対応

2018/12/10
杜奕瑾氏が創設し、台湾製AIの開発に取り組む「台湾人工智慧実験室(Taiwan AI Labs)」が音声入力アプリ「雅婷逐字稿」を開発した。iOSとAndroidのどちらにも対応している。写真はアップル社が運営する「App Store」のスクリーンショット。(App Storeサイトより)
大学在学中に巨大電子掲示板システム(BBS)サイト「PTT(批踢踢)」を立ち上げ、「PTTの父」と呼ばれる杜奕瑾(Ethan Tu、トゥ・イーチン)氏が創設し、台湾製AIの開発に取り組む「台湾人工智慧実験室(Taiwan AI Labs)」が音声入力アプリ「雅婷逐字稿」を開発した。iOSとAndroidのどちらにも対応している。公式発表によると、これにより音声のテキスト化に必要な時間を少なくとも60%削減することが可能。また、台湾なまりの強い中国語や、中国語と英語が混在するような音声データもテキスト化できるのが特徴だ。
 
「台湾人工智慧実験室(Taiwan AI Labs)」が開発した音声入力アプリ「雅婷逐字稿」は、音声認識機能により音声データをテキスト化するというもの。日常生活におけるさまざまなこと、あるいはインタビュー、授業、会議の内容などを音声で記録し、従来は長い時間を割く必要があった文字起こしを、高い精度で且つスピーディーに行うことができる。
 
また、聴覚障害者にとっては、相手が話す内容をテキスト化して理解することができるため、コミュニケーションの精度が高まることになる。報道関係や記者などはインタビュー内容や会議内容を即時にテキスト化できる。教員は授業内容をスピーディーにテキストファイルにすることができる。
 
アップル社が運営するiPhone、iPod touch、iPad向けアプリケーションのダウンロードサービス「App Store」では現在、音声入力アプリ「雅婷逐字稿」のユーザー評価は5点満点中3.8点となっている。Google社が運営するAndroid端末向けデジタルコンテンツ配信サービス「Google Play」での5つ星評価でも4以上となっている。
 
今年初めにある雑誌社の取材を受けた杜奕瑾氏は、「行政院(内閣)の唐鳳政務委員(=無任所大臣)は政府のオープンデータの取り組みを提唱するため、1分間で最高350文字を記録できる速記者、薛雅婷さんを同行させて議事録をテキスト化している。このため台湾人工智慧実験室(Taiwan AI Labs)は開発中の音声入力システムを『雅婷1号』と命名することにした」と明らかにしている。
 
杜奕瑾氏、海外の企業が開発した英語や中国語の音声入力システムも精度が高いとしながらも、台湾特有の中国語や、台湾で使われる用語などに対応した音声入力システムの精度を高めることに、台湾企業はビジネスチャンスを見出すことができると指摘している。
 

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