2024/05/04

Taiwan Today

経済

中研院が新型コロナウイルスの複製抑えるカギを発見、効果は従来の10倍以上か

2020/04/13
中央研究院(中研院)が新型コロナウイルス(COVID-19)の複製を抑える化合物を発見、新薬の開発に向けた選択肢の一つとして注目されている。写真は中央研究院生物化学研究所の梁博煌研究員。(中央研究院提供、中央社)
台湾の最高学術研究機関・中央研究院(中研院)が新型コロナウイルス(COVID-19)の複製を抑える化合物を見つけ出し、新薬の開発に向けた選択肢の一つとして注目されている。新型コロナウイルスがすでに全世界共通の深刻な脅威となる中、各国はみな検査試薬や治療薬、ワクチンの開発を急いでいる。台湾では中央研究院の廖俊智院長が同ウイルスに立ち向かうための協力プラットフォームに複数の学術研究団体を集めている。
 
科技部(日本の省レベル)と中央研究院は10日に共同声明を出し、双方による長期的な資金援助を受けてきた中央研究院生物化学研究所の梁博煌研究員がこのほど、100を超える化合物の中から新型コロナウイルスのメインプロテアーゼ(main protease。3C-like proteaseとも)に対する抑制剤を見つけ出したことを明らかにした。
 
中央研究院では、新型コロナウイルスの治療薬になるまでには動物やヒトを使った実験が必要だが、短期間でその候補となる化合物を探し出せたことはウイルスに対して迅速に対応できる台湾の力を十分に示したものだと評価している。
 
この成果については、中央研究院生物医学科学研究所(バイオメディカル研究所)の林宜玲研究員、基因体研究中心(遺伝子研究センター)の詹家琮研究技師、国立台湾大学(台湾北部・台北市)医学検験及生物技術学系(医学検査学及び生物工学科)の張淑媛教授(台湾で初めて新型コロナウイルスの分離に成功したチーム)などが、この強力なプロテアーゼ抑制剤に新型コロナウイルスの体外での複製を抑える力があることを検証している。そのうち最もよいとされる抑制剤はすでに知られているものと比べて10倍以上の効果を持つということ。
 
科技部と中央研究院によれば、新型コロナウイルスを対象にした新たな治療薬の開発は、17年前の重症急性呼吸器症候群(SARS)に関するプロジェクトの研究を基礎にしているという。
 
 

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