2024/05/17

Taiwan Today

経済

「マスクナショナルチーム」の名声が世界に、マスク製造設備は8月以降の輸出目指す

2020/04/20
短期間でマスクの生産ライン92本を完成させた「マスクナショナルチーム」の実力が伝わり、マスク製造設備メーカーに海外からの発注が相次いでいる。8月以降の輸出を目指すことに。写真は生産ラインの組み立てを急ぐ技術者。(中央社)
新型コロナウイルスの感染が広がる中、経済部(日本の経産省に相当)は今年2月はじめにマスクの生産ラインを60本発注、その後行政院(内閣)はさらに9,000万台湾元(約3億1,900万日本円)を投じて一般のマスク生産ライン30本と、密着度が高く外科手術に使用するマスク(ひもで縛る方式のマスク)の生産ライン2本を追加で発注した。製造したのは、台湾のマスク製造設備メーカー2社が代表となり、そこに各機械メーカーの経験豊富な職人や若手技術者100人以上が結集した「口罩国家隊」(マスクナショナルチーム)だ。
 
当初、経済部ではこれら設備の納入時期を3月末と想定していたが、「マスクナショナルチーム」が努力した結果、わずか40日間という計画を大幅に上回る速さで新規の生産ライン92本が完成した。
 
米国、カナダ、メキシコ、ブラジル、イタリア、ドイツ及びマレーシアなどの企業と政府は台湾のこうしたマスク製造設備とその技術力に注目、すでに台湾の業者にマスクの製造設備を発注する動きが出ているという。
 
今回、92本の生産ラインを請け負ったマスク製造設備メーカー2社はそのスピーディな対応で広く知られるようになり海外から大量に受注。しかししばらくは手元の注文で手一杯で、海外からの受注分は8月にならないと生産と出荷は不可能だとしている。
 
経済部の関係者は、「マスクナショナルチーム」の成果は工作機械に対する勲章もしくは認証に等しく、業者たちはこの間ずっと国の政策をサポートしてきたとして、今後はこれら業者が自らのビジネスに注力できるように協力する考えを示した。経済部は、業者が製造設備を海外に販売したり、海外での技術指導を行ったりすることを歓迎すると共に、機械や技術設備をグレードアップする必要があるならば同部として極力協力するとしている。
 
「マスクナショナルチーム」に参加した工作機械メーカーの関係者によると、マスク製造設備の発注以外に、一部の海外バイヤーからは技術面での指導や交流のため台湾の技術者を自国に招こうとする動きもある。この関係者は、台湾の技術が認められたことを示しており非常に励まされたとしながらも、現在は出入国に関する制限や隔離措置のほか感染リスクもあるため、丁重に辞退するしかないと残念がっている。
 
 

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