2024/05/05

Taiwan Today

経済

国立中山大学が新型コロナウイルス抗体検査キット開発、血液1滴15分で完了

2020/05/22
台湾南部・高雄市にある国立中山大学の研究チームはこのほど、血液1滴、15分以内に新型コロナウイルス感染の有無を診断できる簡易抗体検査キット「超霊敏易測瓶(Easy Vial)」を開発した。現在一般に使われている簡易キットに比べて極めて感度が高いことから、感染初期の患者や無症状患者にも対応可能だ。(国立中山大学サイトより)
台湾南部・高雄市にある国立中山大学は21日、ニュースリリースを発表し、同大学医学科技(メディカル・サイエンス)研究所の楊閎蔚副教授をはじめとする研究チームが、血液1滴で新型コロナウイルス感染の有無を診断できる簡易抗体検査キット「超霊敏易測瓶(Easy Vial)」を開発したと発表した。現在一般に使われている「妊娠検査薬」タイプの簡易検査の感度が65ng/mLであるのに対し、「超霊敏易測瓶(Easy Vial)」の感度は0.01ng/mLと6000倍も高い。独自に開発した高い触媒力を持つナノ材料と生物分子の塗布技術を使うことで、従来の酵素免疫測定法(ELISA法)では数時間かかる検査を、わずか15分以内に短縮することに成功した。
 
「超霊敏易測瓶(Easy Vial)」は専門のスタッフや専門の機器を一切必要としない。わずか1滴の血液さえあれば、IgM抗体を15分以内に検出することができる。血液中に含まれる抗体がまだ少ない、感染初期の患者や無症状患者にも対応可能だ。
 
研究チームは過去に、血液からがんを早期発見する簡易検査キットを開発した経験を持つ。今回はその経験を踏まえ、私立高雄医学大学医学検験生物技術学系の王聖帆副教授のチームと協力し、盲検による臨床試験を行った結果、「超霊敏易測瓶(Easy Vial)」の感度が極めて高いことが実証された。まだ明らかな症状が出ていない感染初期の患者でも、感染を確認することが出来た。
 
「超霊敏易測瓶(Easy Vial)」はほかの伝染性疾病、つまりジカウイルス感染症、デング熱、エボラ出血熱などの簡易検査に応用することも可能だ。特定の感染症が流行する時期や、全く警戒していないタイミングで感染症のパンデミックが発生した際などにすぐ役立てることができる。医療従事者の負担を大幅に減らし、感染の急速な拡大を食い止めることができると期待されている。
 

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