2024/05/21

Taiwan Today

経済

今年1~5月の輸出額、コロナショックに関わらず前年同期比1.5%増加

2020/06/10
財政部によると、1~5月の輸出額は1309.1億米ドルで昨年同期比1.5%の増加となった。1~5月の輸入額は1144億米ドルで、前年同期比1.4%増加となった。輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は前年同期比3億米ドル増加の165.1億米ドルの黒字だった。新型コロナウイルスの影響を受けて主要諸国の輸出額が軒並み減少している中、台湾は唯一増加を維持している。(中央社)

財政部(日本の財務省に相当)は、今年5月の台湾の輸出額が270億米ドルだったと発表した。前年同月比2%の減少となった。台湾の月間輸出額が、前年同月を下回るのは3か月連続のこと。5月の輸入額は222.8億米ドルで、前年同月比3.5%の減少となった。また、1~5月の輸出額は1309.1億米ドルで昨年同期比1.5%の増加となった。1~5月の輸入額は1144億米ドルで、前年同期比1.4%増加となった。輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は165.1億米ドルの黒字。また、1~5月の貿易黒字は昨年同期比3億米ドルの増加となった。

 

財政部統計処の蔡美娜処長によると、新型コロナウイルスのまん延は世界のエンドユーザーの需要に打撃を与え、また生産と販売の秩序や原料の国際相場に影響している。このため5月は主要な11の輸出品目のうち、8品目で輸出が減った。特に従来型産業でそれが目立った。

 

蔡処長によると、消費意欲の落ち込み、原油の国際価格の値崩れ、企業による生産能力の調整、それにアパレルの販売不振、在庫の急増などが原因となり、5月は鉱物の輸出が57.3%減少、紡織品の輸出が35.1%減少した。この減少幅は歴代2位となる。そのほか、ゴム・プラスチック、化学、基本金属およびその製品についても輸出が15~20%減少した。

 

その一方で好調だったのが電子製品の輸出だ。5月の電子部品の輸出額は102.4億米ドルとなり、5月としては過去最高となった。昨年同月比では13.2%増加し、13か月連続の増加となった。また、2ケタ成長は6か月連続(旧正月の要素を排除した場合)となった。主に5G(第5世代移動通信システム)、高性能計算、AI(人工知能)など新興テクノロジーの商機の高まりに加え、新型コロナウイルスの影響でテレワークなどのニーズが高まったこととも、電子部品の需要増加に拍車をかけた。

 

5月はまた、通信関連製品やオーディオ・ビジュアル製品の輸出が前年同月比10.9%増加し、過去3番目の高水準となった。台湾企業が生産拠点を台湾に戻していること、テレワークや在宅授業など「巣ごもり経済」の需要の高まりから、クラウドの運用が企業によるデータセンター設置を刺激し、ひいてはインターネット通信関連の商品需要を押し上げていることが原因と考えられる。

 

新型コロナウイルスの影響を受け、今年1~5月は主要諸国が軒並み輸出を減らした。韓国は11.2%減少、中国は7.7%減少となっている。また、1~4月の貿易統計しか発表していない日本は8.4%減少、シンガポールは6.9%減少、香港は7.4%減少、米国は9.5%減少となっている。これらに対し、台湾は1.5%の増加となっており、唯一増加を維持していることが分かる。

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